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2025年4月11日

2024年度の国内電動車販売、HV独り勝ち

2024年度の国内ハイブリッド車(HV)販売が約206万台と、年度ベースで初めて200万台を突破した。自動車メーカー各社がHVのラインアップを増やしたことに加え、高止まりしている燃料価格も販売の追い風になった。一方、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)は4年ぶりに減少に転じた。割高な車両価格や車種数の少なさが理由とみられる。電動車の構成比は前年度より2㌽上昇し、55.9%となった。



日本自動車販売協会連合会(加藤敏彦会長)と全国軽自動車協会連合会(赤間俊一会長)の発表を基にパワートレイン別の電動車販売(軽自動車を含む乗用車)をまとめた。電動車全体の販売は前年度比5.1%増の215万6779台だった。

 このうち、HV販売は同7・2%増の205万7228台。構成比も前年度より2.9㌽上がり、53.3%と過去最高を更新した。新型「フリード」を発売したホンダや、軽スーパーハイトワゴン「スペーシア」にマイルドHVを設定したスズキが販売を伸ばした。前年度実績は振るわなかったが、スバルもストロングHVの新型「フォレスター」で巻き返しを狙う。

 一方、EV販売は同27.7%減の5万7234台と大きく落ち込んだ。構成比も前年度から0・6㌽下がり1.5%となった。トヨタ自動車「bZ4X」や日産自動車の軽EV「サクラ」などの販売が低迷したが、輸入車は比亜迪(BYD)などが売れ行きを伸ばし、同4.5%増の2万4775台を販売してEV販売の4割以上を占めた。もっとも今年度は、日産が新型「リーフ」、ホンダが新型軽EV、トヨタとダイハツ、スズキが共同開発の軽商用EVなどを投入する予定で、EV販売が増えそうだ。

 PHVも同21.3%減の4万1760台と振るわなかった。トヨタが「アルファード」や「クラウンスポーツ」「プリウス」、三菱自動車が「アウトランダー」などに設定しているが、HV人気の影に隠れて今は目立たない存在だ。ただ、BYDが日本への投入を計画しており、EV市場と同じように輸入車が販売をけん引する可能性がある。

 燃料電池車(FCV)は同3.0%減の557台となり、2年ぶりに減少に転じた。

 3月の電動車販売は前年同月比3.5%減の23万2548台となり3カ月ぶりに減少に転じた。日産やスズキが2桁減となった。

対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞4月11日掲載