2025年3月27日
2025年2月のディーラー新車受注動向、おおむね良好 3か月後見通しには慎重な声も 本紙調査
日刊自動車新聞の支社・支局がディーラー各社を対象に実施した「受注動向調査」で、2月の新車受注はおおむね良好だったことが明らかになった。「良い」「やや良い」との回答がほとんどで、トヨタ自動車の系列ディーラーでは1月下旬の「ハイエースの受注が再開した」(トヨペット店)ことが一因となったもよう。ホンダ系列でもSUV系モデルを中心に実施されている「低金利キャンペーンによって受注が伸びている」(ホンダカーズ店)といったポジティブな回答が目立った。
トヨタ系列では「『アルファード/ヴェルファイア』の供給台数が実績に結び付いた」(ネッツ店)と、ミニバンがけん引した販売会社も多かった。「ノア/ヴォクシー」に加え、SUV「ランドクルーザー」といった人気車種で、「メーカーのオーダー枠が微増した」(トヨタ店)ことも追い風になったとみられる。販社ごとに生産枠を振り分ける制度を採用しているトヨタ陣営では、この枠が受注の伸びを左右している。
車種別でみると、ファミリーカーの好調さも目立つ。「『ソリオ』が好評だった」というスズキディーラーに加え、ホンダ系では「フリード」も順調にオーダーを積み上げた。フリードは年次改良で一時受注がストップしていたが、「2月上旬に再開した」(カーズ店)ことも大きかった。また、あるマツダディーラーでは「『ロードスター』の35周年限定車が団塊の世代に受けた」とするなど、特徴ある商品に反応するユーザーが多いことが分かる。
一方、3カ月後の見通しについては、差が出ている。トヨタ系では「人気モデルの枠が埋まるが、『ヤリス』などの小型車でカバーできる」(ネッツ店)と「主力車種で一部改良が控えており、需要が高まると予想している」(トヨタ店)との声がある。ホンダ系も得意の軽自動車が受注を伸ばすとみている。
しかし、「やや悪くなる」と答えたマツダディーラーでは「新型車がない」とため息をつく。トヨタ陣営の中でも「新型『クラウンエステート』の伸びを見込んでいるが、受注枠が足りなくなる見通し」と、慎重な姿勢をみせるところも出ているのが実情だ。
同調査は、全国のディーラー各社に聞き取りで回答を得たものをまとめた。
特徴ある商品に反応するユーザーも多い
トヨタ系はハイエースの受注再開が好調の一因に
対象者 | 自動車業界 |
---|
日刊自動車新聞3月27日掲載