2025年3月11日
日産、自動運転「レベル4」の実証車両を公開 2025年秋から横浜でサービス開始
日産自動車は、開発中の「レベル4」(特定条件下における完全自動運転)の実証車両を10日までに報道公開した。まず、自社で2025年秋から横浜市内で自動運転サービスを始めた後、27、28年度には車両と関連サービスをセットにして自治体やタクシー事業者などに売り込んでいく。将来的には無人での自動運転サービスを目指す。
実証車両はミニバン「セレナ」にカメラ14個、レーダー9基、LiDAR(ライダー、レーザースキャナー)6基を搭載。従来の電気自動車(EV)「リーフ」を用いた実証車両に比べ、高い車高を生かして検出エリアを広げたほか、検出精度も高めた。
サービス当初はドライバーを同乗させるが、無人運転を想定し、電源を喪失した場合などに安全に停止する仕組みを整えた。必要に応じてグローバル本社(横浜市西区)に設けた遠隔監視室も介入する。車内の様子も遠隔監視室で確認できるため、体調急変などのトラブルにも通話機能などで初動対応する。
25年秋からは、約20台の自動運転車を横浜市内で走らせる。実証車両は、自動運転システムを車両3列目に搭載しているが、サービス開始時までに収まるサイズに小型化し、乗車人数を増やす。27、28年度には車両と関連サービスをパッケージ化して自治体に販売する。乗車予約などができるアプリや遠隔監視、保険などをパートナー企業と開発する。
自動運転サービスは米中が先行するが、日本でも社会実装に向けた動きが活発化している。25年度からは、米アルファベット傘下のウェイモと日本交通(若林泰治社長、東京都千代田区)、タクシー配車アプリのGO(中島宏社長、東京都港区)が都内で自動運転車両の実証を始める。日産もレベル4車両を使った移動サービスを普及させ、新たな収益源に育てる考えだ。
日刊自動車新聞3月11日掲載