2025年1月28日
経産省、2025年度「CEV補助金」の概要決定 新たに「電池の安全性」など 上限額は変更なし
経済産業省は、電気自動車(EV)などの購入費用を補助する「クリーンエネルギー自動車(CEV)補助金」において、2025年度分の取り扱いを決めた。補助額を算定する評価項目に、重要鉱物の安定確保に向けた取り組みや、車載電池の安全性などを追加する。また、環境負荷が低い鋼材(グリーンスチール)の導入計画に応じ、補助金を最大で5万円加算する措置を設ける。4月1日以降の登録・届け出車に適用する。
経産省は、24年度分からCEV補助制度を大幅に見直した。車両の環境性能だけでなく、充電インフラやアフターサービス体制、サイバーセキュリティーなどに関する「企業の取り組み」と、電費・航続距離などの「車両性能」をそれぞれ評価。全項目を200点満点で評価し、合計点に応じて補助額を決めている。
25年度分も同じ枠組みを用いる。既存の評価項目に加え、新たに①重要鉱物の安定確保に関するリスク低減の取り組み②調達先に対する費用の支払い期間③車両や蓄電池の火災発生状況―の3つを追加する。①は評価対象にインバーターを追加するもので、②は取引適正化の一環として盛り込む。③は車載電池の品質や設計の完成度を問うものだ。自動車メーカーに対し、車載電池の品質確保や健全なサプライチェーン(供給網)構築に向けた取り組みを求める。
これらの取り組みに応じ、補助額を決める。補助の上限額は現行制度から変更せず、EVは85万円、軽EVとプラグインハイブリッド車(PHV)は55万円、燃料電池車(FCV)は255万円とした。
また、グリーンスチールなど環境負荷が低い鋼材を計画的に導入することなどを条件に、補助額とは別で最大5万円を追加で補助する。「革新電炉」など、国内製鉄業界のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)化を側面支援するのが狙いだ。
24年度の補正予算では、CEV補助金の財源として1100億円を確保した。今後、各自動車メーカーから申請を募り、内容を精査した上で、3月中旬以降に新しい補助額を決めて公表する。
日刊自動車新聞1月28日掲載