会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2024年12月12日

降雪・凍結で交通事故頻発 国交省、運送事業者や荷主に安全確保求める

12月に入り、降雪や路面凍結による交通事故が相次いでいる。9日には岡山県真庭市で大型観光バスが横転し、乗客11人がけがをした。当時、現場には雪が積もっており、スリップした可能性が高いとみられる。北海道警察本部も4日朝に、美幌町の凍結した路面で軽自動車と普通車が正面衝突し、1人が死亡し、2人が重傷を負ったと公表した。気象庁によると、14日から15日にかけて強い寒気が南下、日本海側を中心に荒れた天気や降雪量が多くなる恐れがあるとしている。交通事故の発生リスクが高まることから、車両安全や道路を所管する国土交通省も注意を呼び掛けている。

国交省では近年、大雪時に大型車の立ち往生で深刻な交通渋滞や通行止めが相次いだことを踏まえ、運送事業者や荷主などに対して、早めの冬用タイヤの装着やチェーンの携行など立ち往生防止対策を実施するよう促している。大型車の車両対策としては、積雪・凍結路を運行する際には必ず冬用タイヤを全車輪に装着するとともに、運行前に冬用タイヤの溝深さが新品時の50%以上残っていることを「プラットホーム」で確認するよう求めた。大雪警報など相当量の積雪が見込まれる場合には、チェーンの携行と早めの装着が立ち往生防止に役立つとした。

トラック・バスの運送事業者には、「年末年始の輸送などに関する安全総点検」の実施項目にある「大雪に対する輸送の安全確保の実施状況」を重点的に確認するよう求めた。雪道で大型車の立ち往生による深刻な交通渋滞などを引き起こした運送事業者などに対しては「監査で事実関係を確認した上で、実施した措置が不十分と判断されれば行政処分の対象となる」としている。

荷主に対し、突発的に大雪などの異常気象が発生して輸送の安全確保が難しいと判断された場合は、運送経路の変更や運送中止などを認めるよう協力を要請した。

事前に大雪などが予想される際には、予定配送時間の前倒しや運送可能地域内での物資の融通を行うことなどで、トラック運送事業者への不要不急の運送依頼を控えることも求めた。

カテゴリー 交通安全
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞12月12日掲載