2024年9月09日
ウィル 脱着式バッテリー採用、スクーター型モビリティ発売
車いす型の電動近距離モビリティを開発・販売するWHILL(ウィル、杉江理社長CEO、東京都品川区)は、脱着式バッテリーを採用したスクーター型(ハンドル操作型)のモビリティ「モデルR」を発売した。保管場所に電源がないなど制約があるユーザーの新規開拓を目指し、任意の場所で充電可能な脱着式とした。リアスタビライザーや、舵角センサーを利用して旋回時に自動減速する機能を初搭載し、快適性と安全性を向上。最小回転半径は、都市部や狭小地での取り回しを考慮して、スクーター型平均の3分の2で国内最小級となる97㌢㍍に抑えた。
同社がスクーター型に脱着式バッテリーを採用するのは初めて。近距離モビリティのニーズは、高齢化の進行などで着々と増加している。こうした中で、集合住宅に住む電動モビリティの購入希望者が、駐輪場などの保管場所で充電用電源の確保が難しく、購入を見合わせるケースが散見されたため、改善に取り組んだ。バッテリー重量は2.7㌔㌘。ワンタッチで取り外し室内などに持ち込める。ゼロから満充電の充電時間は5時間、航続距離は17・2㌔㍍を確保した。
スクーター型電動車いすの国内年間出荷台数は現在、1万6千台ほどにとどまる。都内で開いた発表会で、同社の池田朋宏上級執行役員は「スクーター型の市場規模は700万台ほどあるとみている。ただ、従来モデルは〝保管制約〟によってリーチできるユーザーが30%にとどまっていた。それが新モデルによって100%リーチできるようになる。非常に多くの方に届けられるのではないか」と、新規開拓に自信を見せる。
価格は35万7千~37万2千円(消費税抜き)。日額の短期レンタルサービスによる試用や、専門スタッフのフィッティングも提供して、販売を後押しする。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞9月6日掲載