2024年9月03日
東海理化 本社に新たな技術開発棟、27年稼働
東海理化は、愛知県大口町の本社敷地内に新たな技術開発棟を建設し、2027年にも稼働させる。開発や生産技術、営業など部門を横断して新規プロジェクトを進める体制を整え、短い周期で検討と改善を繰り返す「アジャイル開発」を本格的に始める。社外のパートナー企業と協業も加速させる考え。投資規模は約100億円となる。
二之夕裕美社長は8月30日、本社で報道陣の取材に応じ「(自動車業界が直面する)変化の中で新しいことにチャレンジするためには今までの働き方では駄目だ。組織の壁を壊す形にしないといけない」と新棟建設の狙いを語った。
本社内にある既存の建物を建て替える形で技術開発棟を新築する。建物は4階建てで、延べ床面積は1万5千平方㍍となる。本社地区の技術系人員、約1200人の半数近くを新棟に移し、さらに営業などの人員も加わることで人員は最大で800人規模となる。
製品開発の進め方も変えていく。二之夕社長は「組織でなくチームで開発を進める形にしたい」と話し、新棟でアジャイル開発を進める体制を整え、新製品の投入スピードをより早めていく考えだ。スタートアップなど社外のパートナー企業との〝協創〟についても「開発のかなり早い段階から入ってもらう」(二之夕社長)仕組みを採り入れる。
新技術開発棟の設置は、働き方改革を進める同社の「未来創造ワークベース構築」の一環でもある。既存施設では、すでに机や椅子など備品の入れ替えやトイレのリフォームなどを順次、進めている。新しい働き方の実証エリア「クロスbase」や、新規事業を手がける「エレクトロニクスビジネスセンター」の名古屋オフィスも相次ぎ開設した。26年には愛知県豊川市の音羽独身寮を建て替える計画で、働き方や職場環境を改善する取り組みを加速する。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
---|---|
対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞9月2日掲載