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2024年9月02日

大阪・関西万博、開幕まで200日 最新技術で「未来の都市」魅せる

大阪・関西万博開幕まであと200日余りとなり、「目玉」展示の発表が相次いでいる。2025年日本国際博覧会協会(十倉雅和会長)は、万博のコンセプトを体現する中核事業の一つ「フューチャーライフ万博『未来の都市』」パビリオンの構想を公表。日立製作所やKDDI、川崎重工業、日本特殊陶業、IHIなど自動車関連企業を含む12者が参画する。メタバース(仮想空間)などバーチャル技術も活用し、未来社会を一足早く体験できる内容となりそう。一方、NTTは新しい通信基盤として推進する「IOWN(アイオン)」を訴求予定で、次世代の通信技術を「体感」してもらうことを目指す。

「未来の都市」のパビリオンは会場西側のウォーターフロントに建設中で、11月に建屋が完成する予定。施設面積約4800平方㍍、展示面積約3300平方㍍と、会場の中でも大規模なパビリオンとなる。博覧会協会による「共通展示」と合わせて15のアトラクションを設ける。

演出テーマは「幸せの都市へ」。「ソサエティー5.0と未来の都市」「環境・エネルギー」「交通・モビリティ」「ものづくり・まちづくり」「食と農」の5つの分野で協賛企業などがさまざまなコンテンツを用意する。

「ソサエティー5.0と未来の都市」分野は、日立とKDDIが担う。120人が入場できるシアター型の施設でスマートデバイスを活用し、未来の課題への解決策を来場者が選択する。バーチャルとリアルな空間の双方向体験が可能だ。担当者は「現実の困難に対し、サイバー空間上でシミュレーションできる。こうした体験により、来場後も考える機会を持ってもらいたい」と狙いを語る。

「交通・モビリティ」分野は川崎重工や商船三井などが参加。川崎重工は人が本来備える「移動本能」をテーマに、水素を動力としたモビリティのコンセプトモデル2種を実物大で披露する。1つは「ファン・トゥ・ライド」を重視し、新感覚の乗車体験ができるパーソナルモビリティ。もう1つは「陸・海・空のモビリティを手掛ける当社だからこそできる新しい公共交通システム」(担当者)になるという。

「環境・エネルギー」分野では、日本特殊陶業が持続可能な資源エネルギーを届ける「自律可搬型循環技術」を提案。会場ではナビゲーターが、水と空気の循環「サイクラスニテリウム」を紹介する。IHIは、「空飛ぶキューブ」に乗って海の中や宇宙、ミクロの世界を駆け抜ける没入型映像の体験コーナーを設ける。発表会で同協会の河本健一企画局長は、「今後も万博の楽しさがより伝わるような具体的な情報発信を本格化させていく」と意欲を示した。

一方、NTTパビリオンでは、大容量・低遅延・低消費電力の性能を兼ね備えた次世代インフラを目指しているアイオンなどの展示を計画。その一環で、かねて同社が協力した「ニコニコ超会議」などで人気の「超歌舞伎」の上演を発表した。アイオンは自動運転やスマート工場などへの活用が期待されており、その技術のアプリケーションとして、エンターテインメント分野を訴求する形になる。

カテゴリー 展示会・講演会,白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月31日掲載