2024年8月21日
「日本版ライドシェア」 中部地区でも導入続々
中部地区で「日本版ライドシェア(自家用車活用事業)」導入が活発化している。中部運輸局管内では4月の愛知を皮切りに、静岡、三重と導入が相次ぎ、2日から岐阜でもサービスがスタートした。北陸信越運輸局管内では石川、富山で取り組みが開始。石川県小松市、加賀市では自治体主導によるライドシェアが運行している。福井でも参入の動きが顕在化しており、実現の際には中部7県すべてでライドシェアを利用できるようになる。公共交通機関の人手不足が深刻さを増す中で、果たしてライドシェアが消費者の生活の足確保の切り札になり得るか。
日本版ライドシェアは一般ドライバーが自家用車を活用し、有料で乗客を送迎するサービス。政府による規制緩和の一環で誕生しており、運行時間帯、サービス提供区域、ドライバー該当条件などに制約が定められている。利用者はスマートフォンのアプリを通じて自らで予約する仕組み。
ドライバーの運転技量や健康状態、安全運行などもタクシー会社による管理が必須。これまでにサービスを開始したのは名鉄タクシーホールディングス、名古屋近鉄タクシー(愛知)、静岡ひかりタクシー(静岡)、三重近鉄タクシー(三重、実証実験)、日本タクシー(岐阜)、冨士タクシー、大和タクシー(石川)、富山交通(富山)などとなっている。
ただ、一部を除いて運行可能な時間帯がタクシーが不足しがちな深夜に設定されており、どれだけ利用客が増えるかは未知数だ。加えて、賃金や勤務体系など制限が多い現状で職業としてドライバーを選択する層が増えることも考えにくい。これに対し中部運輸局の中村広樹局長は「ライドシェアは新たなツールの一つ。(人出不足の折に)路線バス、デマンドバス、乗合タクシーなど多種多様なサービスがある中で、観光客や住民の移動の実態に合わせ、望ましい形での実現を模索していく」と話している。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞8月16日掲載