2024年7月22日
23年度二輪車市場、購入ユーザー平均55・5歳 メーカーは若者層に注力
日本自動車工業会(自工会、片山正則会長)がまとめた2023年度の二輪車市場動向調査によると、ライダーの平均年齢は55.5歳と、21年度調査の54.2歳から一段と上昇した。最近は二輪車に興味を持つ女性や若年層が増えているが、平均年齢の上昇に歯止めをかけるには至らないようだ。二輪車メーカーは、レンタル事業を手掛けたり、手頃な価格の二輪車を増やすなど、若年層の開拓に力を入れている。
調査は2年に1度、自工会が実施しているもの。今回は2022年6月から23年5月までに新車を購入した10~70代のユーザーを対象に実施した(輸入車は20年6月~23年5月までの購入者)。有効回答件数は4415件(前回は4897件)だった。
年齢層別の二輪車購入者層は、10代が1%(前回2%)、20代が3%(同4%)、30代が6%(同7%)など。40代は16%(同19%)と構成比を落とした。一方、50代が32%(同31%)、60代が28%(同25%)、70代以上が11%(同11%)となり、中高齢層が市場を支える構図が鮮明となった。
排気量ごとの年齢構成も、前回調査で平均年齢が比較的若かった「126~250cc」と「251~400cc」がそれぞれ52.5歳(同48.8歳)、50.8歳(同46.44歳)へと上昇した。「401cc以上」は52.6歳(同52.0歳)、「50cc以下」は56.9歳(同56.7歳)、「51~125cc」は56.4歳だった。
調査を行った22~23年の国内市場は好調だったが、ボリュームゾーンである中高齢層のライダーはやがて〝引退時期〟が来る。「継続乗車意向」に関する質問では、60代男性の18%、70代男性の42%が「数年以内」または「10年以内」に二輪車に乗らなくなると回答した。
二輪車に対する若年層の関心度自体は高まりつつある。新規の免許取得者数(普通二輪)は17年度に15万9千人にまで減少したが、その後は回復に転じ、21年以降は20万人以上のペースで推移している。
ただ、車両価格の上昇で、気軽に購入できる二輪車の選択肢は少なくなっているのが現状だ。かつてはエントリークラスの役割を担った250ccモデルも今や軽く50万円を超える。ちなみに大型二輪は100万~200万円が中心価格帯だ。このため、ヤマハ発動機は125ccのラインアップを増やし、若年層の獲得を図っている。こうした取り組みが奏功するか、今後の市場動向が注目される。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞7月20日掲載