2024年7月10日
第302回会員研修会「脱炭素における交通セクターの課題と将来展望」開催
日本自動車会議所は7月3日、東京都港区の日本自動車会館で、講演会「第302回 会員研修会」を開催しました。リモートも併用し、全国自動車会議所など各地から計約60名に参加いただきました。
今回は「脱炭素における交通セクターの課題と将来展望」をテーマに、国土交通省の外郭団体として1968年に産学官支援の下に設立された一般財団法人「運輸総合研究所」研究員の東山祐也氏と加藤雄太氏のお2人を講師にお迎えしました。
政府は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を目指すと宣言しており、運輸総合研究所では交通分野(自動車、航空、海運、鉄道)の輸送需要、脱炭素化技術等さまざまな観点から将来の脱炭素化シナリオを作成、排出量・燃料コスト推計などに関して調査研究を進めています。
講演では、日本で交通分野は二酸化炭素(CO₂)排出量の約2割を占めているが、脱炭素化の技術的ハードルが高い産業と指摘。このため排出削減が難しく、「30年以降50年に至る燃料転換の方向性や脱炭素技術普及の見通しなど全体戦略は未だ見えていない」と強調しました。
具体的には「30年時点では削減量のほとんどが乗用車によるもの。40年から50年にかけて商用車でも電動車の導入などが進むものの、全体として多くが商用車から発生する」などと分析していました。
先進的な取り組みが目立つ欧米での燃料転換促進策の事例調査にも触れ、欧州連合(EU)では「交通分野のうち自動車関係の排出が約94%にも達し、自動車に対するCO₂排出量の規制、ゼロエミッションビークル購入の補助や減税・免税支援なども行われている」と紹介しました。
米国でも「交通分野のうち自動車関係が約80%の排出を占め、連邦政府が多額の予算を脱炭素対策に投じている。特にカリフォルニア州では今後、新車販売を100%ゼロエミッションビークルとする規制も実施している」などと詳しく説明されました。
日 時 | 2024年7月3日 15:00~16:30 |
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カテゴリー | 会員研修会 |
場 所 | 日本自動車会館1階(東京都港区芝大門1‐1‐30) |
テーマ | 脱炭素における交通セクターの課題と将来展望 |
主催者 | 日本自動車会議所 |
講 師 | 一般財団法人 運輸総合研究所 研究員 加藤雄太氏/東山祐也氏 |
対象者 | 自動車業界 |