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2024年7月01日

国交省 ペダル踏み間違い時加速抑制装置、25年にも義務化

国土交通省は「ペダル踏み間違い時加速抑制装置(ACPE)」の義務化に向けた準備に入る方針を明らかにした。国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)でACPEに関する国際基準が11月に採択される見通しになったため。来年6月に予定される基準の発効に合わせ、道路運送車両法に基づく省令を改正して義務化する予定だ。

斉藤鉄夫国交相が6月28日の閣議後会見で明らかにした。ACPE搭載義務化の対象となる新車や継続生産車の適用時期などは今後詰める。

6月25~28日にスイス・ジュネーブで開かれたWP29の作業部会でACPEに関する性能基準が決まった。11月のWP29で加盟各国の採択を経て正式に承認され、来年6月に発効する見通しだ。

日本は、高齢ドライバーらの誤操作による事故を踏まえ、2022年からACPEの国際基準策定について、WP29の自動運転専門部会(GRVA)で加盟国に提案し、議論を主導してきた。高齢化の進展に伴い、誤操作による急発進事故が他国でも社会問題になりかねないとの危機感があったからだ。

日本では、ACPEなど先進安全技術の搭載を条件とする「安全運転サポート車(サポカー)」の定義を官民で定め、65歳以上のドライバーを対象とした補助金や、市販品を含むACPEの性能認定制度などを整えて普及に努めてきた。この結果、11年までゼロだったACPEの新車搭載率は20年に約90%にまで向上。ペダル踏み間違いによる年間の事故件数と負傷者数は10年でほぼ半減した。

日本は、欧州以外の国で初となるWP29の副議長を23年から務めている。国内におけるACPE普及に向けた一連の対策づくりの過程で蓄積した技術要件やデータなどをもとに、ACPEの必要性をWP29の加盟各国に説き、基準案づくりを主導してきた。

カテゴリー 交通安全
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞7月1日掲載