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2024年5月23日

国交省、整備人材確保へ〝あの手この手〟 高校訪問や職業体験、セミナー

国土交通省が整備人材の確保に力を入れている。10年目に入った高校訪問に続き、高校生を対象としたインターンシップ(職業体験)や経営者向けのセミナーを今年も開く。自動車の保有台数は横ばいだが、生産年齢人口の先細りで、手をこまねいていれば〝整備難民〟が社会問題になりかねない。国交省はデジタルネイティブな若い世代を呼び込もうと、運輸局ごとに「車座対話(座談会)」も開き、整備士から聞き取ったヒントを政策に生かす考えだ。

「高校生向け自動車整備の仕事体験事業」は昨年度、初めて開いた。学生が実際の職場で整備士と接して仕事を体験することで、整備士に対する興味や関心を高めてもらうのが狙いだ。昨年度は学生263人・整備事業者152事業場が参加した。初開催ということもあり、周知不足やマッチングのあり方などに課題も残した。こうした反省点も踏まえ、今年は運営方法などを工夫する考えだ。

「整備人材確保セミナー」も各運輸局で開く。過去にも一部の運輸局で実施していたが、全国で実施したのは昨年度が初めて。「整備士の採用」「働き方改革」などをテーマに専門家が講演し、国交省による施策も説明して利用を促す。参加費は無料。管内企業による好事例紹介など、運輸局によって内容に工夫も凝らしている。昨年度は合わせて747人が受講した。

また、地方運輸局や業界団体の関係者らが自動車整備業の魅力や課題などを整備士から聞き取る「車座対話(座談会)」も開いている。対話の内容は各運輸局のウェブサイトなどで紹介されている。国交省は、聞き取った結果を政策にも反映させていく。

今春には、整備士がやりがいや働きやすさを感じられるような職場づくりのガイドラインもまとめて公表した。今後も、あの手この手で整備人材の呼び込みに力を入れていく考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 中高生,自動車業界

日刊自動車新聞5月23日掲載