2023年10月31日
モビリティショー、キッザニアとコラボ 整備・金属加工・商品開発を体験
現在開催中の「ジャパンモビリティショー2023」では、子どもが自動車産業の仕事を経験できるコーナーが設置されている。子ども向けの職業体験施設「キッザニア」とのコラボレーションで実現。大手メーカーなどによる10カ所以上のブースが設けられ、自動車の整備や金属加工、仮想現実(VR)による商品開発などが体験できる。早くから車づくりの楽しさを伝えることで、新たな車好きの創出につなげる。また、自動車業界を目指す人材も増やすきっかけにしたい考えだ。
「アウトオブキッザニア イン ジャパンモビリティショー2023」は、平日が500円、土日祝日は1千円の有料プログラムだ。未就学児向けは無料となっている。
日本自動車販売協会連合会(自販連、金子直幹会長)では、整備の体験コーナーを設けた。タイヤのナットを電動工具で締めつけたり、「寝板」という小さい車輪がついた板を背中に敷いて、車の下回りを点検したりした。東京都板橋区から来た男の子(8)は、「車の下にもぐった時、お兄さん(整備士)がいろんな部品の名前を教えてくれて面白かった」と笑顔をみせた。神奈川県海老名市から来た女の子(9)は「ガソリンタンクの点検をした。タイヤのことも知った」と話していた。
トヨタ自動車の「板金技術者」の仕事を伝えるコーナーでは、ハンマーで金属の部品(ブラケット)をたたいて曲げることに挑戦できる。高性能車「GRヤリス」の部品を利用しており、ブラケットを曲げて、もう一つの金属製の部品(ゲージ)と合わせることに取り組む。ハンマーで金属をたたくと大きな音が出るため、子どもたちは恐る恐る部品をたたいていた。
また、会場にはトヨタが開発した「ラウンドパレット」という4人乗りの電動車を体験できるコースも設置された。30~40㍍のコースを3~4分かけて動く。同社では「未来の乗り物」としての実証実験にも役立てているという。
ジャパンモビリティショーでキッザニアコーナーが設けられるのは、前回(2019年)に続いて2回目。就学児向け(有料)と、未就学児向けのプログラムがあるのは前回と変わらない。しかし、今回は未就学児向けのプログラムを前回の4倍となる12種類に増強したのが特徴となっている。
主催者側の担当者は「モビリティショー(前回まではモーターショー)は、昔は大人が楽しむものという位置づけのイメージだった」とした上で、「最近は家族連れや小さな子どもも楽しめるようにしていく、という方向だ」としている。実際、ブースには多くの子どもの姿がみられることから、次回以降もさらなるコンテンツの充実が図られる可能性が高い。
カテゴリー | 展示会・講演会 |
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対象者 | キッズ・小学生,自動車業界 |
日刊自動車新聞10月28日掲載