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2023年8月31日

35年の世界電動車販売台数、7割超がSUVに 富士経済調べ

富士経済(菊地弘幸社長、東京都中央区)の調査によると、2035年の世界の電動車市場のうち、7割以上の5806万台がSUVとなる見込みだ。自動車メーカーはカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の達成や各国の環境規制に対応するため、電動車を積極的に投入している。SUVニーズの拡大に加え、電池などの電動部品を床下に積みやすいSUVが電動化のけん引役になる。

車種・セグメント別の世界の電動車市場を調査した。対象はハイブリッド車(HV)、48㌾マイルドHV、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)。

35年の電動車の販売台数予測はSUV、コンパクトカー(863万台)が首位で、セダン、ハッチバックと続く。SUVやコンパクトカーは電動車のラインアップや販売台数が多い。22年はSUV、セダン、ハッチバック、コンパクトカーの順に販売台数が多かったが、電動化が進展する35年にはコンパクトカーが追い上げる予想だ。

電動車市場で最も増加率が多かったのはピックアップトラックだ。35年予想は179万台で全体に占める割合はそう高くないが、22年比でみると18倍に成長する。主にEVシフトで台数が伸びると見通す。荷物を積んだり、キャンピングカーなどをけん引するため、航続距離や価格が課題となっているが、電池の性能向上、製造コストの低下で伸びるとの予想だ。

同社は、35年にEVの販売台数が22年比8・2倍の5774万台になるとみる。このうちSUVが4262万台(22年比13・4倍)と最多だ。次いでコンパクトカーが751万台(同5・4倍)、セダン289万台(同2倍)と続く。現在もトヨタ自動車が「bZ4X」、日産自動車が「アリア」、グローバルではテスラ「モデルX」、アウディ「イートロン」などSUVを中心にEVシフトが進む。一方、軽自動車は日本市場のみだが、22年に比べ35年は4倍に伸長する見通しだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月29日掲載