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2022年7月26日

日本自動車輸入組合 大阪で初の「輸入電動車普及促進イベント」開催

日本自動車輸入組合(JAIA、クリスチャン・ヴィードマン理事長)は、大阪で初の「JAIA輸入電動車普及促進イベント」を開催した。インポーター各社は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など最新の電動車を出展。来場した自治体関係者などの注目を集めていた。

ヴィードマン理事長は「輸入EVは広範囲で魅力的な商品があると認識してほしい」とアピール。こうした動きに在阪の輸入車ディーラー首脳もEVモデルの拡販に向けた意欲を高めるなど、電動車市場拡大への機運が高まりを見せている。

大阪「キタ」エリアの商業施設「グランフロント大阪」の地下で開催した同イベントでは、国内未導入モデルを含め9社12ブランドが17台を展示した。特に注目を集めたのは、BMW「iX」やメルセデス・ベンツ「EQE」、ヒョンデ「アイオニック5」などのEVだ。先進的なスタイリングや大画面の情報システムなど、輸入車ならではのプレミアム感を携えた各モデルへの来場者の関心も高かった。

EV普及のネックの一つと指摘されている充電網の問題について、ヴィードマン理事長は「スマートフォンのように家やオフィス、外出先などで、その都度チャージしながら使うことができる」と指摘する。日用品の買い物とレジャーでは駐車時間に差がある。こうしたシチュエーションに合わせて、急速か普通か、最適な充電器をバランスよく整備すれば効率的に多くのニーズを満たせる充電網を整備することが可能とみている。

また、倹約家の多い関西エリアで課題となるのが、ガソリン車に対して割高なEVの車両価格だ。これについてもヴィードマン理事長は「デザインの先進性や新しいテクノロジーを体感できるという付加価値を考慮すれば、それほど高価だとは思わない」と主張する。特に輸入EVは上級から普及モデルに至るまでさまざまな車種を幅広いブランドが展開しており、同エリアのユーザーにも十分に訴求できる商品競争力がありそうだ。

しかし、「EV販売においてはディーラーの役割が重要だ」とヴィードマン理事長は強調する。商品の魅力だけでなく、使用過程のコストメリットなどの情報を正確に伝えるためには、顧客と直接コミュニケーションを取れるディーラーの役割は大きいとみるからだ。

今回のイベントの開催には、関西地区のディーラー首脳からも歓迎の声が上がっている。「EV購入を様子見しているユーザーにアピールできる良い機会になったのでは」と話すのは、大阪市内・北部エリアでBMWディーラーを展開する双日オートグループ大阪の岡部牧生取締役営業本部長だ。自社でもウェブでのPRなどに力を入れるが、メディア露出にも期待を寄せる。

大阪地区のボルボディーラー、ロードカーの柏原隆宏社長は「これだけのブランドがラインアップしているのか」と感心した様子だ。今回、会場にはボルボ車の展示はなかったが、各ブランドの最新モデルを見比べながら、ボルボの電動モデルの販売拡大への意識を高めていた。さらに、充電インフラに関する知見も得たことで、「マンション住民にはEV購入が難しいなどの固定観念を取り払って売っていきたい」と力を込めた。

「メーカーの供給が健全な状態になれば、関西エリアの輸入車シェアは伸び続けるだろう」と予測するヴィードマン理事長。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の実現など環境課題の解決にEVの普及は不可欠だ。

JAIAに加盟するインポーター各社が国内市場に投入する電動車両は2020年10月の10ブランド20モデルから、現在は14ブランド62モデルまで拡大している。今後も電動車の取り扱いは増えていくとみられ、関西での普及にも一役買いそうだ。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞7月23日掲載