2022年2月18日
小学校で車いすバス利用体験 近畿運輸局がバリアフリー教室
近畿運輸局が、子どもたちにバリアフリーの大切さを伝える取り組みを加速している。近畿各地で自治体やバス事業者とともに小学校を訪問し、車椅子利用者が利用しやすいバス車両を紹介するなど、障害を持つ人が活動しやすい社会に向けた取り組みに対する理解を促した。
バリアフリー教室は、同局交通政策部バリアフリー推進課が定期的に行っている。京都府精華町の山田荘小学校で実施したバリアフリー教室には、5年生の児童が参加した。町中や駅、道路に潜む障害物を同課職員がスライドを用いて解説し、「お手伝いしましょうか」と声をかけるなど、出来る範囲で要介助者の手助けを行うことを呼びかけた。
各クラスが2班に分かれ体験授業を受講。奈良交通平城営業所が協力し、車椅子ユーザーのバス利用について説明した。リアドア下に格納されたスロープを引き出し、乗務員が車椅子を乗り降りさせたり、バスフロアに固定させたりする様子を児童らが興味深く見守った。バリアフリー対応バスの機能や一般的なバスとの違いについても説明した。
奈良交通のバス車両はノンステップバスが7割を占め、ワンステップバスを含めると9割の車両が車椅子での利用に対応する。奥田将弘所長は「乗り降りに時間が掛かることなど、車椅子利用者のバス利用に理解を深めてほしい」と明かした。
バリアフリー教室の開催は、学校側も歓迎している。山田荘小学校では総合学習のテーマを「福祉」に設定し、これまでも体験授業を実施してきた。中下和之教頭は「こうした体験学習を通じて子どもたちの中には疑問が生じていく。そこから発展的な学びにつながってほしい」と明かした。
バリアフリー教室では、車椅子での自走や介助体験、精華町身体障害者協議会と京都府視覚障害者協会相楽会に所属する障がいを持つ人たちの体験談を聞く機会も設けた。精華町の職員も協力しており、自治体とも連携しながら子どもたちへの教育に取り組んだ。
近畿運輸局では昨年秋以降だけで、バリアフリー教室を6回実施している。精華町以外では、兵庫県の姫路市立城陽小学校と同船場小学校で神姫バスが、京都府の長岡京市立長岡第四小学校では阪急バスと都タクシーがそれぞれ協力。和歌山市立貴志小学校では同市社会福祉協議会が協力した。
カテゴリー | 社会貢献 |
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対象者 | キッズ・小学生,自動車業界 |
日刊自動車新聞2月15日掲載