2021年7月08日
カーシェアステーション数、コロナ禍で伸び悩む 会員数は増加続く
右肩上がりで拡大してきたカーシェアリングのステーション数が伸び悩んでいる。交通エコロジー・モビリティ財団(岩村敬会長)の調査によると、2021年3月末のカーシェアステーション数は1万9281カ所で、20年3月末と比べて0・8%の増加にとどまった。
コロナ禍による外出自粛によって利用数の伸びが鈍化したこともあり、不採算のステーションを廃止する動きが少なくなかった。一方、会員数は多くの事業者で増えており、需要の取り込みに向けたステーション開発の重要性がさらに増しそうだ。
ステーション数は、毎年2桁増で推移してきたが、21年は02年の調査開始以来最も小さい伸びだった。サービス別に見ると、オリックス自動車の「オリックスカーシェア」が同17・6%減の1662カ所となった。日産カーレンタルソリューションの「e―シェアモビ」も200カ所と1年で半減した。
一方、トヨタ自動車とトヨタ系ディーラーが運営する「トヨタシェア」は、20年3月の194カ所から412カ所まで増やすなどインフラ整備を加速している。タイムズモビリティの「タイムズカー」は1万3245カ所となり、同2・1%プラス。三井不動産リアルティの「カレコ・カーシェアリングクラブ」は、同11・9%増と2桁の伸びだった。
車両数は同7・7%増の4万3376台だった。会員数は同9・7%増の224万5156人。20%以上の伸びを続けてきた例年から比べると成長は鈍化したものの、2桁に迫る伸びを示した。
コロナ禍によって、カーシェア利用の多い都市部では生活様式や企業の勤務形態が大きく変化している。こうした新たな需要動向に対応するためカーシェア各社は、ステーションの廃止やリロケーションを進めてきた。
レンタカーとカーシェアを組み合わせたサービスやサブスクリプション(定額利用)型のプランの提供に乗り出す動きも出ており、カーシェアのビジネスモデルは過渡期を迎えている。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞7月5日掲載