2021年3月30日
経産省、30年エネ政策でヒアリング 災害時、石油は最後の砦
経済産業省と資源エネルギー庁は24日、総合資源エネルギー調査会基本分科会を開催した。現在策定を進めている次期「エネルギー基本計画」に盛り込むとみられる2030年のエネルギー政策のあり方について議論を進めるため、エネルギー供給関連団体などからヒアリングを行い、石油連盟の杉森務会長や全国石油商業組合連合会の森洋会長らが出席。
両会長が石油によるエネルギー供給は災害発生時などの「最後の砦」になっているとし、石油を重要な位置付けとして脱炭素化への道筋を探るよう訴えた。
石連では政府が目指す2050年までの温室効果ガス実質ゼロ化に理解と協力する姿勢を示し、カーボンフリーの燃料開発など30年までのイノベーション創出に向けたアクションプランも提示した。水素など多様なエネルギー開発も強化する構え。
しかし、杉森会長は「エネルギー消費の約8割が化石燃料となっている」現状を踏まえ、抜本的な構造転換には多額のコストがかかると指摘。「政府の大胆な政策支援が重要」と要請した。
給油所などで構成する全石連の森会長は、温暖化防止の流れに理解を示す一方、35年目標として打ち出された乗用車の新車販売の電動化で「大きな動揺と不安が広がっている」との懸念を示した。
また、電動化の流れで石油の悪いイメージが広まっているとして「若手の人材確保が困難になっているケースもある」とした。
今後、充電器を備えた総合エネルギー拠点化や防災拠点としての機能強化を図っていく方針だが、多くが中小・零細事業者のため、国による大規模な支援が必要と訴えた。
カテゴリー | 会議・審議会・委員会 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞3月26日掲載