2021年2月19日
近畿の整備業界、感染防止対策を強化 テレビ会議も活用
近畿地区の整備業界で新型コロナウイルス感染拡大防止対策を強化する動きが加速している。近畿運輸局(野澤和行局長)や各府県の自動車整備振興会はオフィスでの感染対策に力を入れ、他団体でもテレビ会議の活用を本格化した。依然、新型コロナ収束の糸口がみえない状況で対策を再度徹底し、気を引き締めながら感染拡大防止に臨む。
近運局自動車技術安全部は2度目の緊急事態宣言発令を受け、一部の職員にテレワークを導入。オフィスへの出勤者を減らし、集団感染を防ぐ。盛田慎吾部長は「何かあってからでは遅い。可能な限りリスクを減らしたい」と明かす。
緊急事態宣言下にある近畿の3府県でも対策の強化が進んでいる。京都府自動車整備振興会(城谷忠会長)は、飛沫感染をより強く防げるアクリル製のパーテーションボードを職員の机の上に設置した。
会員企業が相談などに訪れる窓口に設置しているビニール製のスクリーンシートも、アクリル製のパーテーションに変更する計画で、従来以上の感染予防対策を講じる考えだ。
徳田悦生専務理事は「新型コロナウイルス感染収束の見通しが立たない中で、職員も会員企業も守らなければならない」と強い意志を覗かせる。緊急事態宣言発出から2週間を過ぎた頃から京都府内の感染者数は減少傾向にあるが、ウィズコロナを見越した対策強化の必要性を強調する。
より強固なパーテーションボードの設置は、近運局自動車技術安全部や兵庫県自動車整備振興会(西原興一郎会長)などでも進む。万一、行政や業界団体などで集団感染が発生すれば、特定整備制度への対応などさまざまな課題に取り組む整備事業者へのサポート業務に支障を及ぼしかねない。各所とも責任感を持って新型コロナウイルスへの対策を徹底する。
テレビ会議アプリの活用も活発化している。全日本ロータス同友会大阪府支部は初めて春季キャンペーンの決起大会をウェブとリアルのハイブリッド型で開催した。会場には大型スクリーンを設置し、ウェブを通じて参加する同友企業の代表者らの姿をコマ割りで映し出した。
決起大会は、キャンペーンへの熱い意気込みが聞かれたほか、参加者全員の笑い声が響く場面もあり、和やかなムードで進行した。土井清司支部長は「例会や委員会などのウェブ開催は、今後も可能性を検討していきたい」と前向きな姿勢をみせた。
近畿の整備業界は、前回の緊急事態宣言下でも各社が営業を継続した経緯から、より敏感に感染予防対策に取り組んできた。すでに店舗での接客や感染予防対策、整備振興会などでの研修に至るまで、国が示したガイドライン以上の対策を講じている。
今後も強い姿勢でウィズコロナとの戦いに臨み、業界が一丸となった強固な対策を追求することで感染症の抑え込みに注力していく方針だ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞2月16日掲載