会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2021年1月26日

経団連 環境省と資源循環利用でパートナーシップ

経団連と環境省は20日開いた懇談会で、今春をめどに「循環経済(サーキュラーエコノミー、CE)パートナーシップ」を立ち上げることで合意した。CEは従来の3R(リデュース、リユース、リサイクル)に加え、きめ細かい取り組みを付加することで、さらなる資源の有効利用と経済の好循環を目指すもの。

国内におけるCEの先進的な事例を共有するとともに、こうした情報を世界に発信する場としていく。環境省ではまず、世界的な課題となっているプラスチックごみ問題の解決に役立てていきたい考え。3Rが進む自動車業界でも、もう一段の取り組みが求められそうだ。

同日の懇談会には小泉進次郎環境相も出席。経団連の会員企業のうち、CEで顕著な実績を示す7社のヒアリングが行われた。この中にはタイヤメーカーが含まれており、路面と接するトレッド面を貼り換えて再使用する「リトレッドタイヤ」の事例が報告された。

単なる製品提供だけでなく、メンテナンスを含めたサービスとしてユーザーに提供しており、タイヤの長寿命化だけでなく顧客管理の強化にも役立っているとみられる。さらに、リサイクル事業者からはマフラーに使われている希少金属を安全に取り出す世界的にも高レベルな技術などについて紹介されたという。

こうした世界的にも優位性のある技術やサービスは「経団連の会員企業でまだいっぱいある」と、小泉環境相はみている。パートナーシップの立ち上げでこうした情報を企業間などで共有したり、対話ができる場を設けることにより、日本でまだ認知度が低いCEの普及につなげる。

さらに、「欧州では(CEを)国家戦略として打ち立てている国もある」とし、「日本の技術を国内にとどめずに、世界の市場をとっていく」きっかけとしても活用したい考えだ。

両者は今後、具体的な施策などの検討に着手する方針。経団連の会員企業に広く参加を呼びかけるなどメンバーも募り、早期の実現を目指す。

経団連の杉森務副会長(ENEOSホールディングス会長)は「日本は資源が乏しい国であり、資源の循環活用が重要になる」とCEの重要性を指摘しており、「今回のパートナーシップを起爆剤に取り組みの強化を進める」との意欲も示した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞1月21日掲載