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2020年12月17日

住友ゴム タイヤの安全啓発活動でウェブ活用拡大

住友ゴム工業は、リアルとオンラインの両輪でタイヤ安全啓発活動に取り組んでいる。10月1~31日に実施した販売現場での安全点検では、整備不良率が25・0%となったほか、項目別では残溝不足が19・7%で初めてトップとなった。

数値は例年に比べて改善したが、コロナ禍による制約下での実施が結果に影響を与えた面もある。感染防止に努めながら乗員の安全を守るため、家族で楽しみながらタイヤのケアについて学べるウェブ環境を整え、啓発活動の継続を図る。

2008年から毎年4月と10月に実施する「全国タイヤ安全点検」では、全国の道の駅やショッピングモールなどに会場を設け、幅広いドライバーへの安全啓発に取り組んでいる。

今年は新型コロナウイルス感染拡大を受け、4月の活動が東日本大震災発生直後の11年以来9年ぶりに中止に。10月分は、会場をダンロップタイヤ直営店などに集約して開催した。

16~19年の活動におけるタイヤ整備不良率は平均で35%ほどで、いずれの年も項目別トップは空気圧の過不足となっている。

今回の点検で整備不良率が改善した要因などについて、同社の担当者は「販売店での実施ということもあり、日頃からタイヤへの関心の高いユーザーが、経年使用品の買い替えを検討して来店していたケースが多かったためではないか」と分析する。

従来実施する道の駅などでの点検活動は、タイヤのケア方法に詳しくない人も含め、さまざまなドライバーに幅広く安全を啓発できる場となっている。

「不特定多数の人と交流できるイベントは点検活動の趣旨からも貴重な機会だが、警戒が必要な状況では開催しづらいのが正直なところ」(同)という。

こうした中、力を入れるのがウェブでの啓発だ。10月には「ドラえもん」を前面に打ち出した「ダンロップ」特設サイトを開設。5円玉を使った残溝確認を紹介するなど、家庭でも実施可能な点検方法の解説を充実させ、家族でタイヤへの理解を深められる内容としている。

コロナ禍を受けて自家用車利用のニーズが高まっており、タイヤを確認する習慣のなかったユーザーが運転するケースも増えると想定される。

同社の担当者は「ウェブも活用しつつ、感染状況を見極めながら今後も現場での活動を大切にしたい」と意欲を見せるとともに、「若年層などではタイヤへの関心が低い人も少なくないだけに、乗員の生命に関わる重要な部品だと知ってもらう機会を確保できれば」と述べた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞12月11日掲載