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2020年12月2日

国交省 バリアフリー次期目標とりまとめ、施設整備も

国土交通省は、「バリアフリー法」に基づいて2021年度にスタートする交通インフラなどの新たなバリアフリー目標について最終とりまとめを公表した。

20年度を最終年度とする現行目標に比べて、ユニバーサルデザイン(UD)タクシーを含む福祉タクシーを約9万台に倍増させる。鉄道路線がない航空旅客ターミナルに乗り入れる路線バスの運行系統の約5割をバリアフリー車両とする新規目標も設定する。

目標年限も現行の10年間に比べ、概ね5年間に短縮することで、社会情勢などの変化にタイムリーに対応できるようにしていく方針だ。年内をめどに手続きを進め、来年4月以降の整備を目指す。

現行目標でUDタクシーを含む福祉タクシーは20年度までに約4万4千台の導入を目指している。19年度末の速報値では3万7064台にとどまるが、新型車両の市場投入が奏功して都市部で普及が進んでいる。こうした状況を勘案し、次期目標では9万台に引き上げる。

国交省は全国で18万~20万台のタクシー車両があると見ており、この半数近くが切り替わる意欲的な目標となっている。地方での導入も促すため、各都道府県における総車両数の約25%をUDタクシーとする目標も新たに設ける考えだ。

乗合バスについては20年度、約5万台の総車両数のうち約70%をノンステップバスに切り替える目標となっている。19年度末のバリアフリー化率は61%となっており、順調に進んでいることから、次期目標は約80%としてさらなる普及に力を入れる。

一方、リフト付きバスは車両価格などの課題から、約25%の目標に対して19年度末で約5%しか到達していないため、次期目標でも現行目標を維持する。

また、施設面の取り組みも強化する。現行目標では1日当たりの平均利用客数が3千人以上のバスターミナルすべてをバリアフリー化することを目指している。対象の約50施設に対し、19年度末で95%の達成状況になっていることから、次期目標では平均2千人以上の約20カ所のターミナルも加える計画だ。

赤羽一嘉国土交通相は「バリアフリー化はまだまだ道半ば」と見ており、「真の共生社会の実現に向け、あらゆる手段を検討してハード・ソフト両面でのバリアフリー化をしっかりと進めていく」とした。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞11月24日掲載