日本自動車査定協会(日査協、廣澤孝夫理事長)は、研修会などでeラーニング(インターネットを用いた遠隔教育)の導入を本格化する。7月に行った査定士証の更新講習会と、年2回(6月と12月)ある「中古自動車査定士技能検定」の検定前研修をリモート受講できるようにした。

受検者は会場に行く必要がなく、受講日を自由に選択できるなど利便性の向上が見込める。

検定前研修では、インターネットに接続したパソコンやタブレット端末で、練習問題の音声解説を聞きながら対面講習と同等の内容を学べるようにした。eラーニングの受講がすべて修了すると、修了証の印刷ができる。

従来は、受検者が集まって講習を受ける対面式のみだったが、コロナ禍で会場の確保が困難になったり感染予防対策が求められていたため、eラーニングの導入に踏み切った。

ただ、質疑応答ができたり講師から生の情報が得られたりと受検者からのニーズが高い対面講習も多くの支所で引き続き実施する予定だ。

毎年7、8月に実施している査定士証の更新研修では、10年前からeラーニングを部分的に導入している。

当初は、更新研修期間外に失効した場合に更新手続きをするための特例措置としていたが、今年はコロナ禍の影響を受け、半数以上の支所がeラーニングで受講できるようにした。日査協によると、約4万人の受検者のうち、約6割がeラーニングを利用したという。

中古自動車査定士技能検定は12月9、10日に実施する予定。検定前研修は11月から検定前日の12月8日まで全国の各支所で開催される。