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2020年10月27日

JAMCAアンケート 各校オンライン授業の導入加速

コロナ禍でオンライン授業が加速―。全国自動車大学校・整備専門学校協会(JAMCA、中川裕之会長)は、今春の「緊急事態宣言」期間中の各校の取り組みについてアンケートを実施した。

各校とも失われた授業時間を埋め合わせすべく、夏休みを短縮したり学園祭・イベントを中止するなどした。昨年までの学校運営とは取り巻く環境が大きく異なる状況が浮き彫りになった。一方で、オンライン授業を多くの学校が取り入れるなど「コロナ禍でも新たな発見があった」としている。

調査はJAMCA会員校を対象に実施し、44校から回答を得た。JAMCAでは宣言を受けて会員校に対し、いち早く授業開始時期の延期を呼びかけ、感染拡大防止の組織的な対策を実施した。

緊急事態宣言解除後の授業開始日で最も多かったのが「6月前半」で59%だった。ただ、再開時期には大きな差があり、「5月前半」が11%、「5月後半」が16%だったのに対し、「6月後半」が9%、「7月前半」が5%だった。再開時期で最大2カ月異なるため、学校を取り巻く環境、地域特性などの違いが表面化した。

授業時間の不足を補う手法(複数回答可)では、「夏休み短縮」が40件、「学園祭・イベント中止」が31件、「研修等の中止」が24件、「訓練科目外の中止」が13件、「土日の授業開校」が10件だった。

多くの学校が3月末から2カ月以上の休校を余儀なくされ、埋め合わせには夏休みを約2週間程度に圧縮した学校が多い。また例年盛り上がりを見せるイベントの中止により、学生生活の活性化にも影響を与えている。

休校期間中に補完目的で実施した内容(複数回答可)は「課題の配布」が36件、「オンライン(一方通行)」が9件、「オンライン(双方向)」が19件、「分散登校」が14件だった。一方通行ではユーチューブの活用が最も多く3件、オンラインではズームが12件で最多だった。

休校期間中に工夫した内容では「新入生は週1回各クラス5人登校」「eラーニング、eテストの活用」などの回答があった。

通常年度と比較して教育上課題となっていることは多岐にわたる内容が挙がった。「行事等の中止による就職の意識付け不足」「1年生の対する初期導入教育の不足」「成績低位学生に対する底上げ」など。授業時間の絶対数が足りず、イベントの中止による悪影響を懸念している状況が明らかになった。

一方で、コロナ禍がプラスに働いた面もあった。「オンライン長期化で学生の登校意識が高まり、出席状況向上」「オンライン授業が豪雨災害時の対応にも役立った」「会社説明会などがリモートでも可能なこと」などの利点が出ている。さらに、「例年の5月病のような状態は見られない」などの声もあった。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 大学・専門学校,自動車業界

日刊自動車新聞10月22日掲載