2020年10月1日
自販連、工業4団体に合流 MaaS推進や政策要望で連携強化
自動車業界の発展に向けて協調体制を築く日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)など自動車工業4団体に、日本自動車販売協会連合会(自販連、加藤和夫会長)が合流した。
団体の垣根を越えた取り組みはコロナ禍をきっかけに医療支援から始まり、経営状況が悪化する企業への資金繰り支援、生産性向上に向けた改善指導など、産業を底上げする取り組みに発展している。
さらに販売業界の団体が新たに加わることで地域MaaS(サービスとしてのモビリティ)の推進など取り組み範囲を広げる。ユーザーに近い自販連と工業団体が一丸となって、自動車関連の政策要望活動も展開する。
自工会の豊田会長、日本自動車部品工業会(部工会)の尾堂真一会長、日本自動車車体工業会(車工会)の木村昌平会長、日本自動車機械器具工業会(自機工)の辻修理事長に自販連の加藤会長を加えた5団体のトップは9月24日、オンラインで懇談会を開催した。業界が直面する「困り事」を共有化し、各団体が連携することで課題解決を図る方針で一致した。
自販連は都道府県ごとの支部を通じて地域に根差した活動を展開。今年度から地域支援活動に対する助成事業を本格化しており、メーカーの垣根を越えて、地域の移動課題解決に取り組む事例もある。
こうした地域MaaSの実現では5団体の枠組みを活用して、より強力に推進していく方針だ。また、各地域で行われている地方モーターショーについても、自工会と自販連が一体となってあり方を模索していく。
新型コロナウイルス対策支援のために4月に始まった4団体の協調体制は、医療物資の生産や感染者移動車両の提供などから始まり、生産性向上に向けた改善指導や製造現場リーダーの育成支援など業界の枠を超えて産業全体の競争力強化につなげる取り組みに広がっている。
コロナ禍による経営悪化で資金調達に苦しむ企業を支援する「助け合いプログラム」では融資の実施事例も出てきており、日本のものづくりを守る活動も進めている。
自動車関連の就業人口は550万人にのぼる。日本経済や社会への波及効果が大きい産業として、需要活性化や政策要望など5団体が一丸となった渉外活動も展開していく。
自工会では各団体と連携して近く「自動車産業レポート」をまとめ、国内7800万台の保有母体の回転率を早める需要活性化策やモビリティ社会への変革を促す戦略などを国に要望する方針だ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞9月28日掲載