2020年9月30日
21年度予算の概算要求 各省庁で動き活発化
2021年度の予算編成に向け、各省庁で概算要求の動きが活発になっている。国土交通省は25日、要求内容を発表。一般会計で前年度とほぼ同等の5兆9617億円とした。新型コロナウイルス感染症対策など現時点で予測しにくい緊要な経費については、予算額を定めない「事項要求」として追加で要望していく。
経済産業省も同日、自民党の経済産業部会で概算要求案を説明。経産省の要求総額は20年度当初予算に比べて12・7%増の1兆4335億円になる見込み。コロナ禍で例年より遅れての概算要求となるが、今後作業を急ぎ、途切れのない政策の実行につなげる。
経産省や国交省では21年度予算で、新型コロナによって顕在化したリスクや課題の対応に力を入れる考え。デジタル化の遅れに対する巻き返し策や、サプライチェーンの強靭化に向けた事業が取り入れられるとみられる。
国交省では事項要求の中で「危機に瀕する地域公共交通の持続可能な運行確保に向けた支援」などを要望しており、輸送需要の大幅な減少に直面している交通事業者の運行維持にも努める考え。こうした足元の対策だけでなく、コロナ後を見据えた新しい生活様式の構築に向けた実証事業や研究開発なども概算要求に盛り込まれている。
国交省の自動車局関係予算は、一般会計と自動車安全特別会計を合わせて652億4700万円を計上。これは20年度予算額に比べて約16%増となる。自動車局でも新型コロナの感染予防対策にもつながるデジタル化の推進といった新規事業に取り組むため、予算要求を増やした格好だ。
さらに、組織や職員の拡充も要求しており、自動運転社会の実現に向けた体制強化の一環として、本省に専門官を1人と地方運輸局に係長9人の増員なども求めている。また、エコカー減税の延長や環境性能割の維持なども含む税制改正要望も行う考えだ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
---|---|
対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞9月26日掲載