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2020年9月2日

国交省、新たな許可制度 通信活用した車載ソフト更新

国土交通省は、通信を活用した電子制御装置(ECU)などに組み込まれた車載ソフトウエア更新による機能追加に対応する新たな許可制度を創設した。11月23日に施行する。これ以降は国交省が技術やセキュリティーの水準を認めた事業者でなければ、配信できなくなる。

更新するソフトも個別に許可を得る必要がある。通信による車載ソフトの更新を規制する制度はなかった。今後は的確に審査できる仕組みが整うことで、保安基準の逸脱などを未然に防ぎ、安心かつ安全な車両性能の維持を実現する狙いだ。

新たな制度はまず、更新ソフトを配信する自動車メーカーなどの事業者が許可を得る必要がある。ソフト更新やサイバーセキュリティーに適切に対応できる業務管理能力を満たしていれば、原則3年間認められる。

その上で、配信するソフトもそのつど申請し、保安基準の適合などのチェックを受け、許可された事業者のみが配信できるようになる。国交省では8月23日から事前受付を開始する予定で、スムーズな制度運用に取り組む考えだ。

制度の対象となるプログラムは、保安基準にかかわる機能改変を行うものを想定している。カーナビゲーションシステムのデータや空調などといった保安基準に直結しないものは、これまで通り自由に通信によるソフト更新が可能だ。

自動車技術の進化が加速する中、通信を使って車両の不具合や機能更新をタイムリーに行うサービスは拡大傾向にある。

一方、これまでの道路運送車両法ではこうした「特定改造」が想定されていなかったため、国交省は新たな許可制度の新設に踏み切った。国が特定改造にも適切に関与することで、ユーザーや事業者双方にとって安全かつ利便性の高いサービスの実現を後押ししていく。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞8月7日掲載