2020年9月2日
自動車リース 「再リース」が増加傾向、新車入れ替え鈍る
自動車リース契約に占める再リースの割合が高まっている。コロナ禍によって経済状況の先行きが不透明な中、新車への入れ替えを見送り、料金を抑えられる再リースを選択する企業が増えているためだ。リース会社にとっては新車リースと比べると収益性が低下するため、こうした状況が長引くことによる将来的な業績への影響が懸念され始めている。
日本自動車リース協会連合会(JALA、露口章会長)が8月21日に公表した会員企業の7月度自動車リース契約台数は、前年同月比2・8%減の14万939台だった。新型コロナウイルス感染症のまん延によって経済活動が停滞した影響で、5月は同11・1%減と2桁減に陥っていたものの、6月(同4・9%減)、7月と回復傾向を鮮明にしている。
ただ、新車リースの台数は依然として厳しさが続いている。1~3月までは前年同月と比べてプラスで推移したが、4月は11・9%減、5月は25・3%減、6月は12・5%減と大きな落ち込みとなった。7月も8・1%減と2桁に迫る減少だ。
一方、再リースの契約台数は4月に同2・1%減と前年同月を割り込んだが、5月は2・3%増、6月は2・9%増、7月は3・0%増と緩やかな右肩上がりを続けている状況。「新型コロナで先行きが不安なため、新車導入を控える傾向が出ている」(大手自動車リース会社幹部)という。
また、さまざまな業種が新型コロナの感染拡大で営業スタイルや働き方を変えるのに併せ、社用車の数を見直し、減車する動きもある。
自動車リース業界では、これまでも大手を中心に企業の車両配置を最適化する提案活動などに力を入れてきたが、今後はこうした付加価値の高い営業によって顧客ニーズに応え、市場でのシェアを高める戦略が一層重要になりそうだ。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞8月26日掲載