2020年7月29日
自動車メーカー各社、ローン支払い猶予 マイカー再注目で
新型コロナウイルスの影響で移動ニーズが変化する中、いち早くマイカーを購入したいユーザーに対応するため、自動車ローンの支払いを猶予できる仕組みを採り入れる動きが広がっている。
日産自動車が新車購入時に初回代金支払いを先送りできる金融商品を6月から導入したほか、トヨタ自動車やホンダも既存のローン商品に同様の仕組みを採り入れている。手元の資金を持ち出すことなく車両が購入できる金融商品を用意し、消費者の不安を低減する。
コロナ禍で生まれたニーズに迅速に応えることで商機を逃さないようにする。
新型コロナの感染が拡大する中、他人との接触を避けることができる移動手段としてマイカーが見直されている。地方では通勤で従来の公共交通機関からマイカーへの転換を推奨する企業も増えている。一方で景気の先行きが不透明な中、大きな出費を伴う車両の購入をあきらめる消費者も存在する。
日産が6月に導入した金融商品「乗ってからペイメント」は支払い開始を最大4カ月先延ばしすることを可能とし、資金を手元に置きながら車を購入、利用できるようにした。
トヨタも同様に支払い猶予期間を設定したスキッププランを5月中旬から全国のディーラーでスタートさせた。猶予期間は最大5カ月で、猶予期間を差し引いた残りの支払い期間に繰り延べする。ホンダも6月3日から、既存のローン商品に支払いを最大5カ月先延ばしできる仕組みを採り入れた。
トヨタとホンダは、ホームページなどでこうした金融商品のPRは積極的に行っていないが、商談の中で営業スタッフが顧客のニーズをくみ取り提案しているという。
輸入車インポーターでは、FCAジャパンが同様のローン商品を展開するが、金利も通常より低く抑えてコロナ禍でも購入を促す。
国内の新車市場は5月を底に6月は回復傾向を示したが、新型コロナの影響で依然低迷している。一方で自動車はパーソナルな移動体として改めて存在感が高まっており、各メーカーはより買いやすい金融商品を用意することで需要喚起を図る。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞7月20日掲載