2020年7月17日
オークネット・モーターサイクル 二輪車サブスクサービス事業
オークネット子会社のオークネット・モーターサイクル(福田博介社長、東京都港区)は、二輪車のサブスクリプションサービス事業に乗り出す。運営する中古車オークション(AA)や共有在庫システムで流通する二輪車をユーザー向けサービスとして活用する。
二輪車の引き渡しはオークション会員や取引先企業の店舗で行う。東京都や神奈川県など首都圏から始めて、2021年には全国で展開する計画だ。利活用サービスの提供を通じて、二輪車ユーザーの掘り起こしを図り、需要喚起や販売増につなげる。
新サービスの名称は「ME:RIDE(ミーライド)」。オークネットグループで、サブスクリプションサービスを提供するのは同社が初めて。同社の二輪車オークションと共有在庫「モトバザール」から良質な車両を毎週約40台ピックアップし、同サービスの公式ウェブサイトに掲載する。
取り扱い車両は、国産車と輸入車を含めて排気量250cc以上の大型二輪車となる。車両の引き渡しは現在、東京、神奈川、埼玉の会員販売店5拠点で行っている。
申し込みは24時間受け付けており、ユーザーからの申し込みを確認後に同社が二輪車の仕入れを行う。陸送や点検および車検取得後、名義登録・変更、ナンバー取得も行う。二輪車の保管場所は、ユーザーが用意する必要がある。
会費は無料。利用期間は最低4カ月。乗り替えも可能だ。以降は月単位で無制限に利用できる。走行距離制限は設けていない。価格は月額1万4800円(消費税別)から。
同サービスの導入に当たって、事前にテスト形式で行ったところ、新車や中古車の購入を検討しているユーザーが目当ての車両を長期間利用したいことや、ツーリングシーズンの春から夏にかけて集中的に利用したいニーズが浮き彫りになったとする。
特に大型バイクは趣味性が高く、オフシーズンの冬季は二輪車に乗らないユーザーが多いため、所有せずに長期間借りられるサブスクリプション形式が大型バイクのユーザーニーズに合致していると考えて同サービスの開発・提供を決めたという。
「趣味にかける資金がある40歳代を中心に、サブスクに馴染みが深い20~30歳代の若い世代を取り込んで二輪車の需要拡大につなげていきたい」と福田社長は意気込む。
日本自動車工業会(豊田章男会長)がまとめた「2019年度二輪車市場動向調査について」によると、新車購入ユーザーの平均年齢は54・7歳だった。30歳代以下の構成比は17年比6㌽減の12%、70歳代以上が同1㌽増の12%で、二輪車ユーザーの高齢化が顕著だ。
一方で、宿泊を伴うツーリングなどのレジャー目的で、大排気量の二輪車に乗りたいニーズは増加傾向にあるという。
1年以内に二輪車を保有したユーザーのうち、貸し出しサービスの利用割合は8%で、多くはレンタルバイクの利用だった。定額制の貸し出しサービスに対しては前向きな意見がユーザーから寄せられるなど、一定の需要が見込まれている。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞7月6日掲載