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2020年6月30日

整備事業者、緊急事態宣言解除から1カ月 収益回復へ再始動

全国で新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が解除されてから25日で1カ月。整備業界でも安堵の声が広がっている。同宣言期間中、多くの整備事業者は入庫台数に大きな落ち込みが見られなかったが、時差出勤や時短勤務などを取り入れた結果、メカニックの勤務時間が短くなり、売り上げの減少を余儀なくされた事業者も少なくなかった。

同宣言解除後は、新型コロナの感染予防策を継続しつつ、コロナ禍で失った収益の回復に向けて再始動している。

整備業界では、全国的に新型コロナの影響は小さかった。緊急事態宣言期間中もユーザーの大半が当初予定通りに点検、車検で入庫したためだ。一方で、懸念材料にあるのが板金修理の入庫台数減少だ。

不要不急の外出自粛期間は交通量が全体的に減少。マイカーの使用や交通事故件数も減少し、車体整備業者の入庫減に結び付いた「事故車が当社に入庫するのは少し先になるので、今後さらなる落ち込みを心配している」と神奈川県のある整備事業者は懸念する。

新車販売に注力する整備事業者は、状況がより深刻だ。自粛期間中は消費マインドが低迷したことに加え、自動車メーカーの生産調整で納期が長期化。受注が売り上げに結び付かない状況が続いている。反転攻勢を図るべく「折り込みチラシなどの来店促進策で、新規ユーザーの呼び込みを強化したい」(広島県の整備事業者)と需要喚起に力を注ぐ。

コロナ禍で、整備事業者の業務改善や働く環境整備の必要性が浮き彫りになった。多くの事業者が衛生管理に気を使うと同時に、工場内の清掃や美化に力を入れ、メカニックの生産性向上を図っている。

中には、「工場内にWi-Fi(ワイファイ)を整備するなどIT対応を強化した。これを契機に顧客とメカニックの接点を拡げる手法を検討、研究していく」(長野県の整備事業者)などと、デジタルシフトを加速させる事業者もある。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞6月25日掲載