2020年4月20日
全国の整備学校で混乱 休校やむなし、再開は5月7日以降
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国の自動車大学校・整備専門学校にも混乱や余波が広がっている。政府による7都府県の「緊急事態宣言」により、対象地域の学校が授業の休止、休校を余儀なくされている。
それ以外の県でも不要不急の外出自粛要請が出ている関係上、通常通りに授業を継続している学校は少ない模様だ。多くの学校では5月7日以降に授業開始を予定している。ただ、世界的に蔓延するコロナウイルスの終息見通しは不透明で、関係者の思惑通りに再開できるかは未知数といえる。
自動車大学校では例年、4月初旬に入学式を実施しているが、今年は多くの学校で開催を取りやめ、規模縮小を強いられた。これに引き続いて7日には政府の緊急事態宣言発令を受け、授業開始を後ろ倒しした。結果として新年度になっても授業を行っていないケースが大半だ。緊急事態宣言対象地域以外の学校では一部で授業を実施していたが「昨今の状況を考慮して15日から授業を休校にした」(中国地区の自動車大学校)とする事例も出ている。
再開時期については、多くが5月7日以降を予定している。全国自動車大学校・整備専門学校協会(JAMCA、中川裕之会長)でも「クラスター発生を避けるために授業開始時期を遅らせることが学生の健康、生命、ひいては国民の健康、生命を守ることにつながる」と表明している。
休校期間中に学生に課題や宿題を与えて提出を求めたり、担任の教諭がこまめに連絡、指導することで授業を補っている。とはいえ「自宅での学習となるだけに、習熟には限界があり、効果的な手法を模索している」(首都圏の自動車大学校)とする声が出ている。
多くの学校では、授業が減った分を夏休みの短縮や授業時間を延長することでカバーする。中には、課外学習やイベントを取りやめることで不足分を補う動きも出ている。自動車大学校は規定通りのカリキュラムを消化し、国家資格を有する自動車整備士を輩出する責務を背負う。「このため、再開後に規定通りの授業をこなしながら学生に整備士資格取得に向けた勉強を強いるため、忙しい毎日が続くことになる」(中国地区の自動車大学校)という声も出ている。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 大学・専門学校,自動車業界 |
日刊自動車新聞4月16日掲載