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2020年3月12日

独禁法特例法案を閣議決定、地方のバス路線維持へ 事業者経営統合に道

政府は3日、地方のバス路線を維持するため、経営が厳しい乗り合いバス事業者の合併や共同経営を認めるため、一定の条件下で独占禁止法を適用しないとする特例法案を閣議決定した。すでに今国会での成立を見越し、熊本県内のバス事業5社が共同経営の方針を決めている。同特例法は10年以内の廃止を規定した時限立法であり、各事業者は路線維持のために早急な経営統合の決断が求められる。

同特例法は、人口減少などで乗り合いバス事業者による持続的なサービス提供が困難になる一方、サービスが国民生活と経済活動の基盤となるものであり、将来にわたってサービス提供の維持を図ることを目的としている。このため、国土交通大臣の認可を受けて行う合併、共同経営について、独禁法の適用除外とする特例を創設した。

合併認可は、事業者が基盤的サービス維持計画を大臣に提出し、大臣と公正取引委員会が協議する必要がある。対象を「基盤的サービスに係る収支の悪化により、サービスを持続的に提供することが困難となるおそれがあること」とし、赤字路線に限ることを明示。「不当な基盤的サービスの上昇は認められない」として、不当な運賃値上げは認めないことも規定した。

共同経営認可は、事業者が地域公共交通活性化再生法の法定協議会での意見聴取を経た上で、共同経営計画を大臣に提出し、大臣と公取委の協議で決定する。国交省は特例法で認められる共同経営の内容として、定額制乗り放題や路線・運行系統の共同・分担運行、路線・運行系統の運行回数・運行時刻の設定などを挙げている。

特例法は対象を「特定地域基盤企業」と定義し、乗り合いバス事業者だけではなく地方銀行も含む。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月9日掲載