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2019年9月20日

中古車小売り一進一退、4~8月は微増、増税後は厳しい局面に

2019年度上期の中古車小売り商戦は、前年度と比べて一進一退の様相を呈している。4~8月累計の中古車登録台数は、前年同期をわずかに上回っているものの、単月で前年同月を上回ったのは4月と7月の2カ月のみ。

消費税増税前の駆け込み需要が本格化するとみられていた8月も前年割れとなり、中古車流通が活性化することはなかった。10月の消費税増税後は、小売り市場が大きく落ち込むとの見方が強いだけに、残り半月となった9月に、どれだけ販売を積み上げられるかが、年度実績を大きく左右しそうだ。

今年4~8月の中古車登録台数は155万3814台。前年同期比0・1%増とほぼ前年並みだった。SUV人気を背景に3ナンバー車が増えたことで普通乗用車が同3・3%増と全体をけん引したものの、トラックは軒並みマイナス基調で、中古車登録実績を押し下げる要因となった。

9月は登録稼働日が前年同月より1日多く、順当に進めば年度の上期実績は前年同期を上回る可能性が高い。さらに高価格帯の中古車を扱う販売店からは、「目立ちはしないが駆け込みとみられる動きは出ている」とわずかな特需の取り込みに成功する販売店も出ている。また消費増税直前の駆け込み発生も視野に在庫量を増やすなど、9月登録が間に合うギリギリのタイミングまで粘る構えだ。

10月以降は、少なくとも数カ月は中古車市場が低迷するとの声が大勢だ。関東の中古車オークション会場関係者は「年末までの3カ月は厳しい局面が続くだろう」と、年内は中古車流通全体が停滞すると指摘。目立った駆け込み需要がほとんど見られなかった小売り市場でも、消費増税による消費マインドの減退で需要の落ち込みを懸念する声は少なくない。それだけに下期は、中古車市場での生き残り図るうえで重要な半年間となりそうだ。

日刊自動車新聞9月17日掲載

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