2018年8月11日
17年度の自動車アセス、予防安全性能 平均得点率わずかに低下
2017年度の自動車アセスメントで、衝突被害軽減ブレーキ(緊急自動ブレーキ)など予防安全性能の平均得点率が83%と前年度の86%よりわずかに低下したことが分かった。
得点率の下落は14年度の制度開始以来初めて。同年度から評価対象に加わった「車線逸脱抑制装置」の影響とみられる。今年度も評価装置の追加が予定されており、高得点を狙うメーカー各社は対応を迫られそうだ。
自動車アセスメントは、第三者の視点で自動車の安全性を評価・公表することで、消費者の新車選びに役立ててもらうとともに、車両安全性の向上を間接的に促す制度。車体構造などをみる「衝突安全」と緊急自動ブレーキのような「予防安全」などで構成される。このうち予防安全は14年度の緊急自動ブレーキ(昼間、対車両)と車線はみだし警報から評価を始め、15年度には後方視界情報、16年度には緊急自動ブレーキ(昼間、対歩行者)と順次、評価項目を増やしてきた。この結果、最高得点は14年度の40点から16年度は71点まで上がったものの、メーカーが積極的に対応したため平均得点率は51%から86%に高まった。
ただ、17年度の平均得点率は83%と予防安全性評価の導入後、初めて下がった。平均得点は引き続き上がったが、17年度から自律的に車線に戻ろうとする抑制機能の有無まで車線逸脱制御装置が評価されるようになり、最高得点のハードルが上がったためとみられる。
今年度は緊急自動ブレーキ(夜間、対歩行者)と高輝度前照灯、ペダル踏み間違い時加速制御装置、自動事故通報装置が一気に評価対象に加わる。メーカーは自動車アセスメントの評価を販促などに活用するほか、開発担当者にとってもアセスは安全性のベンチマークとされる。予防安全性の最高評価「ASV++」を目指し、メーカー各社は積極的な対応を迫られそうだ。
日刊自動車新聞8月8日掲載
開催日 | 2018年5月31日 |
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カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
主催者 | 自動車事故対策機構(NASVA) |
対象者 | 一般,自動車業界 |
リンクサイト | 自動車事故対策機構ホームページ |