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自動車産業インフォメーション

2018年3月26日

自動車各社、ブランド発信拠点 多様化

自動車メーカー各社のブランド発信拠点が多様化している。車両販売は行わずブランドの個性を伝えることに力点を置くだけでなく、販売機会を創出する実店舗形態にも広がりを見せ始めている。共通するのは、衣食住や文化的要素などライフスタイルとブランドが持つ世界観やものづくり思想を絡めた体験型の情報発信に注力していること。新たな顧客層に対するブランドの訴求や浸透に向けて、リアルとデジタルの両分野でコンテンツ(情報の内容)の独自性や充実化も求められる。

トヨタ自動車は29日、東京ミッドタウン日比谷(東京都千代田区)に、新たなブランド体験型施設「レクサス ミーツ」を開設する。2013年に開設したブランド発信拠点「インターセクト・バイ・レクサス」(東京都港区)と大きく違うのは、車両購入のローンシミュレーションなど販売機会の創出に踏み込んだところだ。スマートフォンなどから事前予約できる試乗体験プログラムも用意する。

11年から東京と大阪で「メルセデス・ベンツ・コネクション」を展開していたメルセデス・ベンツ日本は、17年10月に名称を「メルセデス・ミー」に変更。独ダイムラーがグローバルで展開する包括的顧客サービス「メルセデス・ミー」を体験できる実店舗形態とした。併設のブランド体験施設で期間限定の各種イベントを実施しており、ベンツ車に縁がなかった女性や若者など新たな顧客層の開拓とリピーター化に成功している。

一方、ブランド発信拠点としてものづくりのこだわりを伝え、来場者との双方向コミュニケーションに力を入れているのがマツダの「マツダブランドスペース大阪」(大阪市北区)。定期的に同社の開発陣と来場者が交流を図るイベントを開催。壇上での単なるトークショーとはせず、スピーカーと聞き手が同じ目線の高さでの対話を大切にする。トークセッションや開発陣と来場者の対話模様などは公式サイトの動画コンテンツとして発信し、デジタルを活用した“擬似体験”にもこだわる。

日産自動車のニッサン・クロッシング」(東京都中央区)では、世界各国のモーターショーで披露したコンセプトカーなどを常設展示する。銀座という立地もあって訪日外国人も多く詰め掛ける観光スポットにもなっている。

このほか、ビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)は東京・お台場にテストコースも併設した約2万7千平方メートルの敷地を持つ「BMWグループ・東京ベイ」を構える。ボルボ・カー・ジャパンが17年10月に開設した「ボルボスタジオ青山」(東京都港区)はスウェーデンの文化やボルボの哲学などを伝える役割を担うほか、同拠点でしか購入できない特別限定車の販売も予定する.

日刊自動車新聞3月24日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
対象者 自動車業界