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自動車産業インフォメーション

2018年3月26日

産構審、「空飛ぶクルマ」も視野に 自動車産業の将来像議論

経済産業省は19日、産業構造審議会(経産相の諮問機関)の製造産業分科会をほぼ1年ぶりに開き、「空飛ぶクルマ」などを含めた自動車産業の将来像などについて意見を交わした。多田明弘製造産業局長は「陸・海・空の交通がつながり、個人や物流などがシームレスに運営する時代がやってくる。モノづくりの周辺サービスも含めて検討していきたい」と語った。

経産省は、将来的に機体や運航、インフラにかかるコストが安くなり、空の移動が大衆化するなどし、都市や地方がそれぞれ抱える課題の解決が期待できると説明。開発に意欲を示す国内企業を掘り起こし、先行する海外企業を日本に引きつけるためにも(1)技術開発(ものづくり)(2)インフラ・制度整備(3)担い手事業者の発掘(サービス)(4)社会受容性向上―を官民連携で進める方針を提示した。将来ビジョンや2020年代の実用化をにらんだロードマップ(行程表)づくりも視野に入れている。

一方、自動車産業の現状については「自動運転の事業化に向けた制度整備が行われていない」「車両所有を前提としたビジネスでは立ち行かなくなる恐れ」などと危機感を示し「車の売り切りビジネスでは莫大な投資を回収しきれない時代を前に、社会・ステークホルダー全体で回収するスキーム構築が必要になる」などと指摘した。

分科会に出席した有識者からは「要素技術に関しては国内勢に強みがあるが、それをサプライチェーン(供給網)全体でみた場合には連携できていないのではないか」「自動車産業の弱点は化学だ。今後は素材も重要になるので連携して進めることが重要」などの指摘があった。また、神戸製鋼所を始めとした一連のデータ不正問題について「海外に向けて現状を発信することが大切」といった意見も出た。

日刊自動車新聞3月20日掲載

開催日 2018年3月19日
カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

経済産業省、産業構造審議会、製造産業分科会

対象者 自動車業界