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2018年3月12日

トラック隊列走行 北関東20回の割込み発生 車間距離など検討が必要

内閣府に設置された「自動走行にかかわる官民協議会」は、5日の会合で、1月から2月にかけて新東名高速道路や北関東自動車道で実証実験が行われたトラックの隊列走行などについて、成果と次年度の計画を報告した。新東名では2回、北関東では20回の割込みが発生した。

新東名では1月23日~25日の3日間、浜松SA~遠州森町PA間(15㎞)を、世界初となる異なるメーカーによる実証実験を3台の隊列で実施。車間距離(時速80㎞の場合、車間距離35m)でCACC(協調型車間距離維持支援システム)機能により、アクセル・ブレーキ操作を自動制御した。同区間は2車線と3車線が2対3の割合で混在している。13回の実証走行中、インターチェンジでの合流車両およびSAへの流出車両により割込みが2回発生。2車線区間では、隊列走行を追い越す大型トラックなどにより渋滞が発生した。

トラックドライバーからは、通常のトラックより安定した走行のため緊張や走りにくさはないものの、隊列走行低速車が追い越す際の渋滞発生が懸念されること、交通量が多い場合や車線数減少時に車線変更が困難なことが挙げられた。一般ドライバーからは、何ら違和感はなく感じたが、隊列を形成していることを明示したほうが良いとのい意見があった。

北関東自動車道では、1月31日~2月2日の2日間、壬生PA~笠間PAを4台隊列で走行実験を実施。勾配(サグ部など)変化に対する車間の変化(車間が広がる)の発生などを確認した。CACCは全区間で正常に作動したが、走行条件が安定していたため勾配の変化に対するCACCの優位性は見られなかった。

12回の走行の内、20回の割込みが発生。全区走行間が2車線であったこと、合流部の加速車線が短いこと、4台隊列と長いこと、合分流箇所が多いことが影響していると考察される。割込みを防止するには、車間距離および合分流時の走行方法を検討する必要があるとした。

2018年度は、引き続きCACCを用いた実験を積載条件を変更して実施する(今回の実験は全社空車)。CACCに加え、要素技術の1つであるレーンキープアシスト機能を付加して行う。19年1月には後続無人隊列の公道実証を行う予定(ただし、後続有人状態で実施)だが、その際、CACCを用いた車間距離よりも車間距離を短くする予定。

運輸新聞3月9日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日,会議・審議会・委員会
主催者

内閣府

対象者 自動車業界
リンクサイト

国の公道実証プロジェクト ※無人自動走行実行計画が紹介されています

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo2018/revolution/dai2/sankou3.pdf

2020年度には後続無人隊列走行実現

トラックの隊列走行実行計画によると、来年1月に後続有人状態で実証実験を行うが、メーカーの量産化に向けた製造を来年10月から開始し、2020年度中には新東名で後続無人隊列走行を実現、22年度以降に東京~大阪間で事業化する目標を掲げられている。なお、主に乗用車タイプを使用し、道の駅などを活用して無人自動走行車両による地域公共交通サービスの実証実験が行われているが、こちらはモデル地区で今年1月から社会受容性の確認が進んめられている。隊列走行よりも早い20年度中の移動サービス実現を目指している。