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2018年3月5日

自動車メーカー、カーシェアサービスに続々参入

車の共同利用サービスの可能性を模索する動きがメーカーの間で広がっている。ホンダが新サービス「エブリ・ゴー」の展開に乗り出しているほか、日産自動車は「eシェアモビ」を1月にスタートした。トヨタ自動車は4月1日付で新会社「トヨタモビリティサービス」を立ち上げる。IT(情報技術)の進展を背景に、専業者によるカーシェアリングサービスの伸びはこのところ目覚ましく、販売業界も改めて注目し始めている。

ホンダは従来のレンタカーに、気軽に借り出せるカーシェアリングの良さを組み合わせた新サービスを昨年11月にスタートした。東京・横浜に63ステーションを設置し、12月には大阪にも広げた。日産は1月からeシェアモビのサービス提供を主要都市で始めた。新型「リーフ」と「ノートeパワー」を9都府県30カ所(3月末)のステーションに配備。短時間から手軽に利用できる料金パックを設定し、試乗感覚で乗ってもらう。
トヨタは「所有」から「利用」への変化に対応しようとモビリティーサービスの進展が最も早く進むと見られる東京に新会社を立ち上げる。カーシェアにはこれまでも地域で実証的に取り組んできたが、新会社はコネクテッド社会に対応したモビリティーサービスを開発・提供し、モビリティー社会のリーディングカンパニーを目指すとしている。
販売業界も「カーシェアリングは侮れない」(西日本地区ディーラー)と改めて注目している。対面での応対を面倒に感じる若い世代がレンタカーよりカーシェアを選ぶ傾向があるためだ。カーシェアの気軽さをレンタカーに応用し「貸し出しの無人化を検討している」(東海地区ディーラー)という動きもある。
交通エコロジー・モビリティ財団によると、カーシェアリングの会員数は17年3月末に前年比28%増の108万5922人と100万人を超えた。車両台数やステーション数の増加とともに、今後も会員数の伸びが見込まれており、新車販売への影響という面も出てくる。
 日本自動車販売協会連合会(自販連)は販売の質と量にどう影響するか、実態把握に乗り出す方向で検討を始めた。一方、メーカーはカーシェア事業を新車拡販策の一つと位置付けている面がある。メーカー、ディーラーを含め、自動車業界が今後、どのようなスタンスで共同利用サービスに臨んでいくのか試行錯誤が続きそうだ。
日刊自動車新聞3月5日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
対象者 自動車業界