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2018年2月22日

近運局、整備人材確保でセミナー 事業者の意識啓発へ 成功事例など披露

近畿運輸局(坂野公治局長)は自動車整備士不足対策の一環として、整備人材の確保をテーマにしたセミナーを開催した。国土交通省が整備士確保に特化したセミナーを実施したのは全国でも初めてという。人材を受け入れる整備事業者の意識啓発を狙った内容で、特色ある取り組みで成果をあげている事業者が事例なども披露した。

14日に大阪歴史博物館(大阪市中央区)で開催した「平成29年度自動車整備人材確保セミナー」には、事業者や関係者ら約250人が出席した。同セミナーは事業者に現在の就職活動の動向や若者の考え方を知ってもらい、採用活動に役立ててもらうことを目的としたもの。また、業界の強みや成功事例の把握を通じて、事業者に整備業の魅力の再発見を促すことも狙った。
冒頭、坂野局長が「整備業は車社会の安全・安心を支える基盤であり、整備士不足はその基盤を揺るがしかねない。人材を送り出す側への取り組みと同時に、今回のセミナーの様な受け入れる側への対策も重要だ」と挨拶した。
近運局自動車技術安全部の多田善隆部長は「近畿運輸局の自動車整備人材確保の取組」と題して講演した。近畿での運輸支局長による高校訪問の結果や整備士PRイベントなどを紹介した。多田部長は「PRイベントでは整備士に興味を示す若者も多い。セミナー後、皆様で業界の魅力を語り合ってほしい」と述べた。

続いて、リクルートジョブズ(柳川昌紀社長、東京都中央区)が運営するジョブズリサーチセンターの宇佐川邦子センター長が登壇した。宇佐川センター長は、若手人材の供給源の縮小や資格保有者の先細りなど、今後、業界が直面する状況について言及。その上で、現在の若者志向として、就職活動で親の意見の重要度が増していること、社会貢献に関心を持っていることなどを説明した。また、「固定概念を捨て、柔軟な人材確保の道を検討する必要性も高まっている」とも述べた。

国交省自動車局整備課の石橋匡雄係長は「国土交通省の自動車整備人材確保の取組」として、整備士の現状やPR活動などを紹介した。事例発表では、3事業者が登壇した。番所自動車工業(兵庫県洲本市)の番所智保社長は、自社で実施している中学生向け職場体験「トライやるウィーク」や高校生を対象にしたインターンシップの経験を語った。京都日野(内海桂一郎社長)の光村元秀整備部長は、昨年9月から受け入れを開始した外国人技能実習生の現状を報告。熊井自動車(和歌山県紀の川市)の熊井智一社長は、女性メカニックの活用事例などを発表した。

日刊自動車新聞2月21日掲載

開催日 2018年2月14日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

国土交通省近畿運輸局

対象者 自動車業界
リンクサイト

http://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/1pdf18-218.pdf