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2018年2月18日

省エネ大賞、自動車メーカーは3社

省エネルギーセンター(藤洋作会長)は、省エネルギー化で功績を上げたビジネスモデルや技術、製品に贈る「平成29年度省エネ大賞」(経済産業省後援)の表彰式を都内で開いた。自動車関連ではトヨタ自動車、日産自動車、ホンダの自動車メーカー3社と、サプライーヤー5社・7件が受賞。車両の燃費改善や、生産段階のエネルギー消費削減などの取り組みが評価された。

トヨタは「新型プリウスPHVのプラグインハイブリッドシステム」が「製品・ビジネスモデル部門」の「経済産業大臣賞」を受賞した。バッテリー電源のみで走行する「EV走行時」の電力消費を向上、市街地走行ではエンジン起動をほぼ不要にした。さらに、37・2キロメートルの低燃費を達成するなど環境性能を総合改善し、PHV(プラグインハイブリッド車)の新たな領域を提示したことが授賞理由になった。
技術面では、タイマー制御と連動した昇温システムを採用した駆動用バッテリー、走行用モーターに加えて発電用モーターもEV走行に利用し電気モーターによる走行出力を高める「デュアルモータードライブシステム」、世界初のソーラー充電システムなどが評価を受けた。

日産自動車は「CO2(二酸化炭素)排出量削減に寄与するe―パワー技術」で同部門の「省エネルギーセンター会長賞」を受賞した。
エンジンを発電専用に利用して電気モーターのみで駆動するハイブリッドシステムで、さまざまな条件下で最も効率の良い状態でエンジンを運転できるようにした。これにより同システムを搭載する「ノートe―パワー」では同等エンジンを搭載するガソリン車に対し燃費を30%改善、34・0キロメートルに延ばした。さらに、電気自動車のような運転感覚と静粛性を持ちつつ、ガソリン車と同様な航続距離を実現したことが評価された。

ホンダは生産本部トランスミッション製造部が「“環境トランスミッション”CVT(無段変速機)のグローバル拡大に寄与する新省エネ試験法」の開発によって、「省エネ事例部門」の「省エネルギー庁長官賞」を受賞した。CVTの品質の熟成度合いを検証する試験工程で、試験期間を従来比3分の1の約30日に短縮するとともに、ガソリン使用量を年間130キロリットル、電力消費を同2万7400ワット/時にそれぞれ削減することにつなげた。
同社は、CVTの生産拡大に伴い、検証プロセスで使用するエネルギーの増加が大きな問題となっていた。こうした中、従来のエンジンを利用した装置に代わる電動テスト装置を自前で開発。モーター1台で入力/出力の両軸にトルクをかけられるようにしたほか、軽自動車用から上級モデル用までサイズの異なる複数のCVTを試験可能な汎用性を確保するなど構造を工夫して効率を高めた。

自動車メーカーとサプライヤーは、世界各地で強化が予定されるCO2排出規制への対応に向けて、電動化をはじめとした省エネ技術の開発や生産エネルギーの削減に取り組んでいる。今回、表彰を受けた技術や手法をベースに、省エネ化のさらなる進展が期待される。

日刊自動車新聞2月17日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
主催者

省エネルギーセンター

対象者 一般,自動車業界
リンクサイト

賞エネルギーセンターホームページ受賞者リスト

https://www.eccj.or.jp/bigaward/winner17/pdf/e1.pdf