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2018年2月13日

国交省方針、特殊車両通行許可制度 事後チェック型に転換

国土交通省は、大型トラックの「特殊車両通行許可制度」を事前審査型から事後チェック型に転換する方針だ。

車載型荷重計測システム(OBW)やGPS、ETC2・0などで走行状況を監視し、違反がないか目を光らせる一方で、事故や渋滞に応じた経路変更を柔軟に認める。国とトラック事業者双方の事務負担を軽くし、生産性向上に役立てる。テレマティクス(カーナビ向け情報サービス)など大型トラック向け機器の商機拡大にもつながりそうだ。
社会資本整備審議会(国交相の諮問機関)の関係部会にこうした方針を示した。同制度は、道路法(車両制限令)で定められている車両の重量や寸法を超えて運行する場合、道路管理者が個別に審査し、経路や速度、伴走車などの条件をつけて走行を認めるもの。近年は運転手不足などで車両が大型化しており、国交省によると、2017年の申請件数は約37万件と5年で約1・4倍になった。このため平均審査日数は約50日まで延びており、制度の改善が急務だった。
国交省は、審査の自動化や優良事業者向けの優遇措置などに取り組む一方、将来的には海外の事例を参考に、車両データをもとにしたオンライン申請と許可後の走行監視を組み合わせ、より効率的で実効性の高い制度の構築を目指すことにした。法令改正の必要も含め、具体案は今後詰めていく。例えば、EU(欧州連合)では2021年5月までにOBWや過積載検知システム(WIM)などを用いた過積載車の検知体制を整えるよう加盟国に求めている。また、オーストラリアではOBWなどによるモニタリングサービスを提供する企業が道路管理者の認証を受け、間接的に過積載車両を取り締まっているという。OBWが車両に搭載されれば、過積載を検知するとエンジンを始動できなくするなどの新たな対策も可能になる。
国交省としても、新技術を駆使して審査時間の短縮や経路変更と違反車両の取り締まりを両立させ、トラック運送業の生産性向上と道路交通の安全確保を目指す考えだ。

日刊自動車新聞2月9日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界