会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2018年2月5日

外国人技能実習生研修、自動車特化の施設開設 専門用語や技術習得、埼玉で夏にも

外国人技能実習制度に自動車整備職種が追加されてから約1年半が経過する。国土交通省によれば、同制度を利用する技能実習生は2017年9月時点で約60人。以降も、順次入国している状況だ。ただ、すでに技能実習生の受け入れを始めた整備事業者の中には「言葉の壁が高くて技術を教えるところまでいかない」「整備工具の名前だけでも覚えてから来てほしい」などといった要望は多い。そういった声を受けて、埼玉県央流通事業協同組合(穐山正明理事長)が今年夏にも自動車整備に特化した集合研修センターの立ち上げを決めた。

整備業界では高度化する技術への対応や事業承継に加えて、人材不足が課題になっている。技能実習法でもある通り、技能実習生を需給の調整の手段にしてはならないものの「実習生が来たことで、社員が外部研修に出向くことができるようになった」との声もある。ただ、需要が高まる一方で「コミュニケーションに不安がある」「『はい』と返事はするが本当に理解しているのか疑問に思うことがある」「工具の名前や部品の名前を最初から教えるのは大変」などといった声も挙がっている。
技能実習生には来日後、1カ月間の集合研修が決められているが、その研修はさまざまな職種の人たちが集まって行う。そのため、日本語の挨拶やマナー、習慣などを教えるにとどまるのが現状で、自動車関連の専門用語などの習得は難しい。埼玉県央流通事業協同組合の穐山理事長によると「配属後に日本語レベルなどで不満を口にするケースや期待外れという声を聞くこともある」という。そこで、穐山理事長は、自動車に特化した集合研修が必要と判断。今年夏にも外国人集合研修センター(KRC)の開校を目指し準備を進めている。技能実習生の受け入れを決めた企業やすでに受け入れている企業からヒアリングを行い、「最低限求められていることは教えてから送り出す」方針だ。
研修施設は、保育園の跡地をリニューアルし、空きスペースには新たに実技を行うことができる工場を建設。日本語教育やマナー研修に加えて、自動車整備関連の座学と実技研修を通常の倍となる2カ月間で習得する。集合研修は他の監理団体から研修委託を受け入れる。

日刊自動車新聞2月2日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

埼玉県央流通事業協同組合

対象者 自動車業界