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2018年1月30日

1935年式のはしご車修繕中 中日本自動車短大、名古屋市消防局出初式で経過披露

「83年前のはしご車が出初式に復帰」―中日本自動車短期大学(山田弘幸学長)は、名古屋市消防局からの依頼を受け、同局が保有する1935年式のベンツ社製「機械式はしご車」の修繕を行っている。卒業研究の一環として学生の勉強にも役立てており、来年中の公道走行を目指す。

13、14日に名古屋市内で行われた「出初式」では、修繕中の車両を披露した。かつては現役の消防車として出初式に参加したはしご車が、学生らの手で数十年ぶりに出初式に“復帰”した。
同車は83年前に名古屋市消防局が購入し、出動車両として33年間活躍した。はしごは最大30メートルの高さまで伸び、当時高い注目を浴びた。1968年に老朽化により退役、翌69年に登録抹消されていた。退役後も定期的に整備、レストアが行われ、イベントなどで展示されたが、自走はできなかった。再び走行させようと、同局が中日本短大へ依頼。2016年12月に同校が車両を預かり、修繕を行っていた。
修繕活動には教員のほか、学生5人も卒業研究の一環として携わった。現在流通のない部品も多く、旋盤を使って一から製作するなどして対応した。また、設計図もなく、配線など学生らは分解するなどして不要な線を排除したり、必要な線を加えたりして修繕にあたった。
出初式には修繕途中の車両を展示した。来場した子どもらは手回し式のサイレンや鐘を自分たちの手で鳴らし、楽しんでいた。修繕活動に参加した学生の加納頌太さんは「大変だったが面白かった。こうしてお客さんが喜んで記念撮影してくれている様子を見ると、携わった自分としてもうれしい」と笑顔を見せた。残る走行に必要な動力部やその他の修繕は後輩らに託し、来年の出初式での自走を目指す予定だ。

日刊自動車新聞1月30日掲載

開催日 2018年1月13日
開催終了日 2018年1月14日
カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日,展示会・講演会
主催者

中日本自動車短大学

対象者 大学・専門学校,自動車業界
リンクサイト

中日本自動車短期大学ホームページ

http://www.nakanihon.ac.jp/news/2018/01/18_1584.html