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2018年1月29日

広島トヨペット分析“クルマ離れ”固定概念崩れる、新車客は若年層が増加

◆ハリアー・アルファード人気、世代に合わせた製品でアプローチ
若者は車離れしていない―広島トヨペット(古谷英明社長)が新車購入客を分析したところ、1年前に比べ世代別で20歳代の伸びが最も高く、49歳までの顧客割合は55・9%(前年比3・4ポイント増)に達したという。少子高齢化と合わせて価値観の変化が、若年層の自動車購入を減退させていると指摘する声が少なくないなか、同社では「ハリアーなど若者に人気のある商品によるところもあるが、若者は決して車離れしていない」(藤川龍三副社長)と結論づけ、若年層への売り込みを一段と強化する考えだ。

同社は「本当に若い人は車に興味がないのか?」(藤川副社長)と俗にいわれる“若者の車離れ”を解きほぐそうと、すべての新車購入客を対象にその購入商品などを調べた「新車お客様属性分析」を行った。
これによると、昨年1年間の新車販売の16・1%が20歳代の客で、前年に比べ全社平均(9・4%増)を大きく上回る21・8%増もの販売増を示した。同時に、同世代の半数近くが「ハリアー」を購入。前年に比べ48%増の販売をみせ、前年の2位から同社トップ商品に押し上げる原動力となった。同時に、40歳代までの顧客割合が全体の半数以上を占めるとともに、前年よりも伸びていることも分かった。
藤川副社長は「ハリアーやアルファードといった商品が若者に人気」という商品特性と合わせて、「若者は車に興味を持たなくなった、という固定概念で市場を見てはいけない」と指摘する。また、その半数が現金で車両代金を支払っているという。
一方、60歳代の3人に1人が、70歳以上では半数近くが「アクア」か「タンク」を購入しており、同社では「世代別にどの商品がマッチするかを理解し取り組んでいく」と、改めて店舗ごとにも客層に合わせた販売アプローチに注力していく考えだ。

旺盛な購買力 消費をけん引
新車市場は少子高齢化による社会構造の変化と、自動車に対する価値観の変化を理由に「若者の車離れ」に見舞われているといわれてきた。人口だけをみても、昨年の新成人は123万人と2010年以来130万人を割り込み、総人口に占める割合も1%未満と若年層の割合が低下し、消費をけん引し切れないと見られていた。今回の広島トヨペットの顧客分析は、少なくとも広島県での新車市場においても若年層の購買力を示すものとなりそうだ。(広島)

日刊自動車新聞1月24日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

広島トヨペット㈱(広島市西区観音町7-8)

対象者 自動車業界