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自動車産業インフォメーション

2017年12月20日

国交省、女性整備士の負担軽減 業界向けにガイドライン

国土交通省は女性が自動車整備業界で働きやすい環境整備を進めるための指針として、「自動車整備業における女性が働きやすい環境づくりのためのガイドライン」を策定した。

整備機器やハンドツール、労務体制などの観点から女性整備士の作業負担を減らす改善策を盛り込んだのが特徴だ。整備業界は深刻な人材不足に直面しており、女性や若者の人材確保は大きな課題となっている。国交省は整備人材の確保と女性整備士の活躍を後押しするため、ガイドラインの普及、定着に努めていく。

国交省が女性整備士を特化した指針などをとりまとめるのは初めて。ガイドラインの策定に当たっては191人の女性整備士にアンケート調査を実施。業務上の課題を浮き彫りにし、働きやすい環境づくりに向けて改善策をまとめた。
ポイントは(1)工具・機器の改善、作業分担の工夫(2)設備面の改善(3)制度、体制面の改善―の三つ。(1)では体力や筋力など身体的負担を軽減するために、軽量でコンパクトな工具の導入を推奨。また、動力系や足回りなど女性整備士に負担の大きい作業は、男性整備士と作業分担を工夫することが望ましいと指摘した。
(2)は整備工場自体の改善に関するもの。女性整備士が働きやすい工場として空調設備を完備すること、男女別のトイレや更衣室、シャワールームを設けることが示された。
(3)は充実した労働環境の整備を促すもの。出産や育児などに関連し、時短など柔軟な勤務体系、産休・育休後の復職研修制度などの必要性を明記した。国交省はガイドラインの活用を促すため、全国の運輸支局や、日本自動車整備振興会連合会(日整連)をはじめ自動車関連団体を通じて周知していく。さまざまな機会を捉えてガイドラインの定着を図ることで「いまだに残る3Kイメージの払拭にもつなげる」(整備課)方針だ。
国は2020年度までに女性の2級整備士数を09年度比2倍の4800人に増やす数値目標を掲げており、ガイドラインを「目標達成の後押しにしたい」(同)考え。16年度現在、2級の女性整備士は4091人となっている。

日刊自動車新聞12月15日掲載

開催日 2017年12月15日
カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日,会議・審議会・委員会
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界
リンクサイト

自動車整備業における女性が働きやすい 環境づくりのためガイドライン 

http://www.mlit.go.jp/common/001209610.pdf