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2022年12月01日

ヴァレオジャパン電動バイク公開 モビリティ電動化推進

仏ヴァレオが、低電圧の48㌾システムを活用したモビリティの電動化を推進している。日本法人のヴァレオジャパンは11月15日、48㌾モーターを搭載した電動バイクを日本初公開。電気自動車(EV)シフトが世界的に加速する四輪車のみならず、二輪車や超小型モビリティ領域においても電動化製品の提案を強化していく。

ヴァレオジャパンが日本初公開した電動バイクは、ヴァレオが今年1月にラスベガスで行われたCES2022で発表したもの。オーストラリアに本社を置くVmoto社の電動バイクブランド「Super Soco TC max(スーパーソコTCマックス)」をベースに、標準装備される最大出力4・5㌔㍗のモーターを、ヴァレオ製の9・5㌔㍗48㌾モーターに換装している。

モーターはベルトドライブ機構と制御システムを統合しており、内燃機関エンジンの250ccクラスに相当する動力性能を持つ。

ヴァレオが48㌾システムの提案領域を広げているのは、マイルドハイブリッドシステムで培ったシンプルで手頃な価格のモーターを使ってモビリティの電動化を推進するためだ。

市街地向けの小型EVや電動バイクのみならず、電動自転車、配送用ドロイドまで、幅広いモビリティを「成長機会と捉え48㌾システムを提供していく」(ヴァレオジャパンの高橋明博日本パワートレインシステムビジネスグループリサーチアンドディベロップメントディレクター)方針だ。

都市向け小型車用の電動パワートレインとしては、モーターとインバーター、減速機を一体化した「48㌾eアクセス」を用意。シトロエンの2シーター小型EV「AMI(アミ)」が採用している。

日本国内では群馬大学と共同で電動四輪駆動の軽トラックを試作した。15㌔㍗を発揮する48㌾モーター「eドライブ」を前後車軸に1機ずつ搭載。発進時の加速性能と走破性に優れた電動四駆を手頃な価格で実現できるのが特徴。

最高時速100㌔㍍で航続距離100㌔㍍を目標に開発しており、軽自動車より小さな車両区分「超小型モビリティ」の駆動システムとしての搭載を視野に入れている。

日本の軽自動車や欧州のAセグメントなど小型EVを対象にしたeアクスル「スマートドライブ」も開発中だ。ハウジングで空冷、オイル循環で内部を冷却する構造を持ち、ラジエーターを必要としない特徴をアピールする。

ヴァレオは今年7月、高電圧の駆動システムなどを手がけていたヴァレオシーメンスeオートモーティブを、パワートレインシステム・ビジネスグループ内に統合した。二輪車を含む小型モビリティに搭載する低電圧システムから、EVに使われる高電圧システムまで幅広い電動化ニーズに応える事業体制を整えている。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞11月16日掲載