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2022年11月30日

三菱ふそう 自社開発した園児置き去り防止システム、年内にも販売開始

三菱ふそうトラック・バスは、園児置き去り防止装置を自社開発し、年内にも販売を始める。新車の購入者の要望に応じ、完成車ラインで取り付けて納車する見通し。通園バスなどで子どもの置き去りが問題化する中で、自動車メーカーでは先陣を切った動きとなる。

政府は幼稚園などの送迎バスについて、同装置の設置を来年4月に義務化する方針を打ち出している。他のメーカーも追随する可能性があり、同装置の普及に追い風になりそうだ。

同社が開発中の園児置き去り防止装置は、主に近距離の送迎用途として使われやすいマイクロバス「ローザ」への設置を念頭に置く。同モデルには標準で通園バス仕様も用意しており、一定の需要を獲得できるとみられる。

ただ、大型の観光・路線バスも通園や通学のほか、遠足など各種行事の送迎車として使われるケースも想定される。このため、大型バスへの取り付けにも対応した設計とする。新車への取り付けは、富山市内の完成車の生産ラインで行うことになりそうだ。

政府によると、装置の設置が義務化される対象の送迎用バスは全国に約4万4千台ある。保育園、幼稚園などに加えて特別支援学校(小学部~高等部)、児童発達支援・放課後などデイサービスのバスも対象になる。これに加え、義務化はされないが、装置の設置を勧める対象として、小中学校などのバス約1万1千台もある。

幼稚園などの運営者の負担を減らすために、政府は装置設置について補助金を出す。合計で約5万5千台を想定し、今年度の第2次補正予算に94億円を計上した。具体的な補助額についてはまだ決まっていない。ただ、義務化されるバスについては装置1台につき18万円、義務化されていないバスについては半分(9万円)で、仮定して算出したという。

カテゴリー 社会貢献
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞11月16日掲載