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2022年9月06日

新車納期希望は「3カ月以内」7割 こだわりの車種は長期でも

中古車販売大手のネクステージが行った新車納期に関する意識調査によると、3カ月以内の納車を希望するユーザーが67・2%に上ることが分かった。以前から3カ月以上の納期がかかるモデルは珍しくなかった。しかし、半導体不足や新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で新車の納車遅れが長期化している中でも、「『仕方がないから長く待とう』と考えるユーザーが少ない」(同社)ことを示した格好だ。

納期に不満があるユーザーが多いほど、注文をキャンセルするリスクも高まる。こうした事態を避けるためにも、早期の納期改善が求められそうだ。

なるべく短期間での納車を望むユーザーの姿勢は、購入時の車種選択にも表れている。希望する車種の納期が長かった場合、納期の短い他の新車を検討するユーザーが34・3%となった。つなぎの車種の購入を検討するユーザーと合わせると、4割以上が車種の変更を考えることが分かった。

早期の納車を望む背景には、切実な理由があるようだ。納期の長期化によって抱える不安や不満について聞くと、「納車まで乗る車がない」(28・6%)、「納車までに今の車の車検が到来する」(25・5%)、「今の車の故障、不具合」(14・0%)などが挙がった。通勤や買い物に車が欠かせない地域は数多い。車を生活の足としているユーザーにとって、移動手段の確保は重要な問題であることが裏付けられる。

一方、車種へのこだわりから納車の長期化を受け入れるユーザーも一定数いる。納期が1年以上かかっても待つというユーザーの55・6%以上が、「そのモデルしか欲しい車がない」という回答だった。車の購入には多額の費用がかかる。だからこそ、気に入った車の購入を諦めないユーザーも少なくないようだ。

また、納期問題を解決すべきなのは、「自動車メーカー」としたユーザーは53・8%だった。これに「半導体メーカー」(37・4%)、「販売会社・販売店」(23・0%)が続く。「ユーザーは我慢すべき」(5・3%)という回答はわずかで、多くのユーザーがメーカー各社に対し、課題解決へのさらなる努力を期待している。

自動車メーカー各社は今後、半導体供給の回復状況を見極めつつ、生産や供給の挽回を目指している。しかし、一部では引き続き半導体不足が続くとみるサプライヤーもあり、新車の長納期の改善にはいまだ不透明感が漂っているのが実情だ。ユーザーからの早期改善の実現を求める声に応えていくためにも、関係する企業や機関が連携して取り組むことが解決を早める鍵となりそうだ。

調査は、今年7月1~8日の期間に実施。20~59歳の男女1102人から回答を得た。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞9月3日掲載